1.《ネタバレ》 長年観たかった映画の一つ。
白土三平好きとしてはどうしても押さえたかった。
まず問題として真っ先にあがるであろう漫画のコマを撮ってそのまま映画にしてしまった件について。
これは技法そのものが悪いわけではないんですよ。
ゴルゴ13もこれと同じような技法で観る劇画としてやってたんですが、こっちはゴルゴ13の世界を忠実に再現してくれた名作でした。
そもそも白土三平は映画のカットを漫画のコマ割に反映させてきた人で白土漫画とこの技法、相性はいいはずなんです。
なにがダメって漫画からの修正跡が見えたりで仕事がずさんな点。
ふきだしが見えないように全部接写ってのも問題アリ。
ちょっと工夫するだけでいいのに・・・。
大学生くらいだったら夏休み期間を使えば作れそう。
話自体は原作好きってのもあるんで満点に近い。
暴力的な革命を肯定する気はまったくないんですが、社会の進歩を真剣に信じ戦い、そして結局一揆運動(あえてこう書く)は瓦解していくこの滅びの感覚が琴線に触れてしまいました。
みんな滅びるんですよ影丸も無風道人も(社会の進歩とかあまり考えてなかった主善や蛍火もなんやけど)。しかし滅びても後に続いていく人達が生まれて社会は進歩していく。
我々は遠くから来て、そして遠くまで行く。
いや~いいじゃないですか。
8点だけどあまり人に勧められない映画です。
自分だけ悦に浸ってりゃそれでいい映画が人生のうち一つくらいあってもいいじゃないですかってことで。