1.《ネタバレ》 山田修とハローナイツの面々、、その中でも特に、でんでんと渡辺哲による「冷たい熱帯魚」の最凶極悪コンビに、いつもすぐに殺られるチョイ役俳優の有薗芳記という、このキャスティングに笑えてくる。歯を抜こうとするくだり、彼が二人に殺られるんじゃないかと (笑) 映画の作りとしては、低予算でかつ、「ムード歌謡コーラス」を題材にしたコメディタッチ、しかしながら、とても真面目に作られた映画であったと思えます。こういうオッサンたちが、例え場末であろうが、「これしかないから」と歌うことにしがみついて、生き残りに悪あがきするその姿に感動します。この仕事しかない、もうそれで生きていくしかない、、それは私ら中年サラリーマンとて同様。その業界を置き換えても、そこだけは共感できるから、すんなりと感情移入できたのかもしれません。 のんさんは歌が抜群にうまいとは言えない。(ゴメンね) だがしかし、それを補って余りある「声」そのものの良さがある。そして、歌ってる姿が「絵」になる、様になる。とても不思議ですねぇ、、平成世代の彼女の歌声から、ハローナイツのコーラスをバックに歌うお姿から、昔テレビで見ていた昭和 (歌謡界) の光景が懐かしく浮かんできました。 本作は歌 (選曲) もよかったけど、昭和歌謡界と「ムード歌謡コーラス」という文化に、嘘偽りなく深い愛情がございました。そこが何よりよかったと思えます。