3.香港映画史上破格の製作費を投じた本作。躍動するカメラワークが活劇の面白さを存分に伝えてくれる。風を切るキックの迫力、そしてこのジャッキーの壮絶な形相を見よ!しかし一方では映画としての遊び心も忘れておらぬ。軽トラックの転落と共にまき散らされるカラーボールの何と幻想的なことか。前半のチンピラとの抗争から一転、後半はギャングとの命懸けの死闘、映画を見ているだけで硝煙が鼻腔をつくかのようだ。さらにはクライマックスの暴走するホバークラフト!手に汗握る壮絶さ、それでいてこれは紛れも無くファンタジーである。これぞ映像芸術、これぞ映画、まさに忘れじの傑作と言えよう。・・・・・ええと、冗談が過ぎました、悪フザケはこのくらいにして(笑)。GWということで帰省中の実家で、たまたま本作がTV放送されてたので、皆そろって観ておりました。最初のうちは「コレ観るの何回目かなあ」「この後の展開は確か、ああなってこうなって・・・」等と話しながら観てたんですが、気がついたら皆黙り込んで見入ってしまっている(笑)。面白いモノは何度観ても面白いですな。かつて初めて観た時にも、街の中でホバークラフトを暴走させるという奇想天外さに感激して、「よくぞやってくれた、ありがとう」などとしみじみしたもんですが、また同じ感慨に浸ってしまいました。