11.《ネタバレ》 このレストランの名前、「どぶろく」でしょう? (笑) 私はアキ・カウリスマキ監督の、日本をネタにした茶目っ気が好きなんだ。 ストーリーはお馴染みです。平凡な暮らしの中に見つける、ささやかな幸せと人間賛歌。確かに、無職同然の夫婦二人の生活は慎ましい。でも部屋はお花や絵や写真を飾っていてキレイだし、二人とも服装にもこだわっています。そして、タバコも酒も映画も決して止めない。たとえ生活が苦しくとも、人生を楽しむ気概とゆとりは忘れるな。監督の映画からは、いつもこのメッセージを感じます。 最後、レストランの席がうまっていく光景は、まるで見ているこちらの心まで満たされていくようです。この展開、荻上直子監督の「かもめ食堂」を思い出しますね。そう、どちらも舞台はフィンランドのヘルシンキ。どうやら、小津監督と日本文化を敬愛するアキ・カウリスマキ監督のこころに、荻上監督はよいかたちで応えてくれました。 嬉しいかな、フィンランドと日本の関係は、映画を通じてすこぶる良好なようです。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-02-18 21:21:08) |
10.会話は少なくても実によくわかる展開だ。シェフのアル中事件から始まって、ムスッとした表情とは裏腹のコメディに思わず笑ってしまうおもしろさがある。そして元レストラン仲間のつながりも良い。職さがしがうまくいかないで苦労続きのなかで、ラストで店が大繁盛と上手すぎるようだけど、夢のある映画として見れば悪くない。音楽もまたすばらしくチャイコフスキーの「悲愴」が流れたかと思うとフィンランドを代表するような歌手の歌が聞けたりもする。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-03-12 21:53:13) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 アキカウリスマキ、いいなぁ。リストラされた人の心にピタ~ッてくるね。中々この味、出せないよ~!? 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-05-08 19:40:26) (良:1票) |
8.カウリスマキ監督の作品は、シナリオがすごくシンプルでわかりやすい。映画は本来サイレントで、音楽や色彩はなかった。でも、それでも観客が楽しめる作品は作られていた。映画とはつまり、目で見て、考えれば、わかるものなのです。より物語が豊かに感じられる要素として、音楽や色彩は存在し、演技も演出も小道具も美術も、そして台詞も存在している。極端に言えば、それらの要素を限りなく低め、映画本来の面白みや可能性だけで勝負しようとしているのがカウリスマキ監督の作品だと思う。この作品もシンプルでわかりやすい物語と、分かりやすい人物の感情をしっかり理解して見ることができた。特にラスト、イロナとラウリが見上げる空が一体どんな空なのか凄く気になるけど、それを見せないところが憎い。でも、その空がどんな空なのかなんとなくわかってしまうから素敵。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-13 19:40:33) |
7.《ネタバレ》 一言で言えば「素敵な映画」ですね。実際の人生はそう甘くないのかもしれないですけど、やはり夢がなければ生きててもつまらないですから・・・・・。 カティ・オウティネンという女優は美人というには微妙な感じですが、不思議な魅力と存在感がありますね。 この作品の音楽は、なんか「昭和の日本映画」を思い起こさせるような感じでした。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-26 00:41:21) |
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6.正しく、小津監督の世界だ!その人間の描き方、一つ一つのシーンの描き方から音楽まで何もかも小津監督を思わせる世界です。暗くなりがちな中にも時々、見えるユーモアと優しさとのバランスがほど良くて、観ていて気持ちが良い。ラストがこれまた良いんだなあ!正にタイトル通りに相応しいあのラストシーン!空を見上げる二人の表情がこの映画を物語っている。やたらめったらうるさい音楽を流し、CGばかりのめまぐるしい映像ばかりの今のハリウッド映画とは違って、人間味溢れる世界、じわりじわりと来る温かさ、こういう映画があるから私はミニシアター系の映画が好きです。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-10 21:57:00) (良:1票) |
5.監督の小津愛を非常に深く感じさせられる、失業夫婦でありながら健気で前向きな妻、夫婦愛、言葉少なくとも独特の間、整えられた構図、音楽まで見事に小津映画してました。 【亜流派 十五郎】さん 8点(2004-05-22 13:10:03) |
4.《ネタバレ》 この映画の好きなところは、さりげないところだ。音楽も台詞にも大げさなところがない。大げさなのが悪いというのではなく、本当に伝え方が上手なのだ。人々の小さな動きの中から何かを発見した時少し嬉しくなる。どんな時でも、それが辛くても、悲しくても、悔しくても、あるいは飛び上がりたいほど嬉しくても主人公イロナの表情はさほど変わらない。いつもやんわりとした空気のなか、カウリスマキの持つ優しい目線と、なぜだか笑みが漏れる独特の「間」が色々な出来事を上手に伝えてくれる。夫婦して一気に職を失う結構悲惨な物語なのだ。「38歳?いつ倒れてもおかしくない。」なんてことを言う失敬な男まで出てくる。でも事の流れはいつも穏やかだ。老舗レストランの最後の夜の様子や、ローンで買ったテレビが運び出されるシーンなど、寂しさとおかしさと優しさが同居している。最後はハッピーエンドで、でもやはりさりげない表情の主人公を映す。しかしその後亡くなった友人へのメッセージで締めくくられており、切なさで胸がいっぱいになってしまった。 【のはら】さん 8点(2004-03-30 23:22:29) (良:1票) |
3.ババアは無表情で怖いがなんだかほんとに心温まる映画、最後、客入って本当によかった。 【たましろ】さん 8点(2003-10-13 21:48:21) |
2.何がどうとか言いにくいんですけど、どこかすっとぼけた感じで幸せな映画でした。もう一回みたいなあ 【ババロア】さん 8点(2003-07-15 02:15:26) |
1.出会えて良かったな、と思わせる映画であり、監督さんである。ほんのチョッピリだけど勇気を与えてもらえる。これってなかなか無いことだよね。 【るーす】さん 8点(2003-01-26 23:03:53) |