1.《ネタバレ》 オープニングはシャイニングを彷彿とさせる。
少年の、「子供の」目線で描いているのがとても良いです。
また、スキー教室というのが良い。
ニコラの妄想がどんどん膨らんでゆくのが面白い。
夢から現実に戻り、それがまた夢だったなんて、
どんどんと非現実の世界に引きずり込まれていくようだ。
個人的には子供達の集団での寮生活というのがツボだった。(しかもスキー教室!)
主人公の少年に「誰かパジャマを貸して」との先生の問いかけに、「私が」と挙手した少女は中性的でとても可愛らしいと思った。
子供を描くことで「小さな恋のメロディー」的な部分もあり(主人公をかばう不良っぽい少年とか)、
これは僕個人の憶測ですが(違ったらすみません)、
この監督は「小さな恋のメロディー」で、「主人公ダニー」と「親友で悪ガキのトム」がどこか同性愛的な雰囲気を放っていると感じて、
その関係をこの作品で少しオーバーに表現したのだと思います(違うかな?)。
また都市伝説が少年の妄想を侵食していき、それがとても不気味な雰囲気を出している。
その裏側で渦巻く何かがとても不気味で、それは少年の頃に感じる不安なのかもしれない。
子供のころは都市伝説がもつオドロオドロしい雰囲気がとても怖かった。
孤独で疲れ果てた父親、ベッドの上でその父親が少年を自分の傍らに座らせる場面は
「シャイニング」からの強い影響を感じた。
少年のバカバカしい変な妄想(バカバカしいが、変にリアリティがある)、しかしそういった子供特有の妄想をとてもうまく捉えていると思う。
また、講師のパトリックがとても良い。
冬の雪山がとても神秘的だ。窓の外で雪が降っている、それがいい。
子供の頃は他人と違う事がどれだけ孤独な事だろうか、
ニコラの疎外感がとても伝わってくる。
とても長いスキー教室に感じられる。
終わり方も、あまり謎が明かされないで良かったと思う。
そしてエンディング、なんだか雪山に消えてしまいそうになる。
(この作品のDVDは恐ろしくジャケットが美しいです)