12.《ネタバレ》 脱獄ではなくて逃走話。いがみ合いながら絆が深まってゆくというのは予定調和で淡々と眺めていたところでの子供の登場に仰天。その子の母親によろめきドラマに話が向かうのかと思いきや。当時の世相を浮き彫りにさせる彼女の言動は本作MIPで見事な脚本に唸ります。ヒトとヒトとの繋がりを世に問うた名作です。 |
11.大袈裟に言えばこの映画自体が人種差別を乗り越えてきたアメリカの歴史のひとつなのかも。そういった面を除外したとしても充分に楽しめる作りだから説教臭くない。おすすめできます。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-25 18:32:31) |
10.《ネタバレ》 一つの手錠で結ばれた黒人と白人、人種差別の激しい時代によく描きましたねぇ。刑務所からの脱獄じゃなくて輸送車からの脱走なのでホントは「手錠のまゝの脱走」なんですがシドニー・ポワチエとトニー・カーティスの対比が非常にうまく描けてます。今じゃ黒人差別は社会問題なんだけども当時は差別しても何も言われないし逆にもっと言え、というような感じ。肌の色は違えどやはり人間は一緒にいれば友情が生まれるんだなぁというのを実感しました。ラストの歌になんか感動してしまった(笑) |
9.《ネタバレ》 男と男による脱走ものと言えばそうなのだが、この映画の一番のポイントは同じ国の者でありながら白人と黒人という所にある。方や黒人だけの土地では白人は別の人間と差別され、もう片方は白人ばかりの土地では同じように別の人間だと差別を受けるというアメリカ社会における今も消えない人種差別という問題を取り扱っているところにある。そして、そんな二人が手錠をかけられたまま自由を求めて脱走を図る。ところがそう簡単には物事は進まない。最初に逃げた土地では大勢の白人の前で捕まる二人、白人であるジャクソン(トニー・カーティス)のお陰で黒人であるカレン(シドニー・ポワチエ)も逃がして貰うものの、今度は一人の少年に出会い、そこで見た者は少年の母親である白人女性による偏見、差別、カレンを騙し、ジャクソンだけを助けようとするというこれぞ同じ白人に対する考えと黒人とでは違うというアメリカが抱える人種差別の世界である。そんな状況の中、出逢ったばかりの白人女性よりもそれまで散々喧嘩してきたカレンを取る。男の友情を取るジャクソンとそれに応えて見せたカレン、手錠は外れていても手錠は今も繋がっているんだとばかりに負傷して動けないジャクソンの手を取って一緒に逃げるカレン、列車に乗ることに失敗した後、自ら煙草に火を付けてジャクソンの口にくわえさせてあげるという男気、この瞬間、二人は完全に白人と黒人という人種を超えて一緒になれた瞬間であると思うことが出来たのと、最初につまらなそうに歌を口ずさんでいたカレンとラストの同じように歌を口ずさんでいるカレンとではまるで別人である。最後のカレンの歌声とその時のあの清々しい表情で終わるというのも気持ちが良い。あそこで終わっているからこそ良いのである。あの後もダラダラと描いていたらここまでの余韻、作品にはなっていないと思います。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-09-07 21:18:12) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 この邦題、完全に間違ってます。脱獄ものを期待した人が観たら、がっかりすることうけあいです。しかも、映画の主題まで脱走じゃないし。この映画は日常的に、さらっと人種差別を映していて怖いです。あの変な母親に至っては、当たり前のように白人のジョーカーにだけご飯を出して、カレンの分も持ってこいと言われると、いかにも渋々と用意します。カレンを囮にして、「なんでニグロのことで怒るの?」と、突っかかる場面も怖いです。そして、この母親と息子はなんか不気味です。囚人のように泥土の生活から出られず、夫にも逃げられ、病んでしまったと思われます。あと、「死体でも懸賞金はもらえるさ」と言ったリンチの町も怖いし、偏見丸出しの捜索隊が、最初から処刑するつもりでドーベルマンを連れているところも怖い・・・アメリカは根強い差別の国でもあるんだなと実感した次第です。そんな中、2人を庇った、手首に縛られた痕のあるビッグ・サムと、最後まで2人を無傷で捕らえようとしたマックス保安官が格好よかったです。 あと、この映画はラジオの音楽とポワチエの歌以外に音楽がないんですが、ポワチエの歌はお世辞にも上手じゃないです。せいぜい鐘2つ(笑)。なのに最後、保安官が来るのを見ながら歌う、あのやけっぱちのミシンの歌が素敵で上手に聞こえる不思議。保安官が銃をしまって少し笑うところ、スパッと幕を切ったようなエンディング。重いテーマなのに分かりやすく、説教臭くもなく、むしろ清々しい気分にさせられました。とても上手い映画です。あと、いつでも綺麗なまま、何本もポッケから出てくる煙草には笑えました。 【くなくな】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-15 02:00:06) |
7.《ネタバレ》 スタンリー・クレイマーの手法は光っており二人の画面での位置関係から感情や立場を映し出す手法、過剰な演出を避けメッセージ性に重きを置く部分などは非常に評価できる。途中の村、母子の家などを閉鎖的に描いたのも皮肉めいてて面白い。 追いかけるジャクソン、一緒に転げ落ちるカレン。手錠が外れても離れない二人、ラストは逃げる意味もなくなる。ジャクソンを抱き抱え歌うカレン、二人は手錠があった時よりもより“近い”ものとなる。今見るとプロットは確かに常套かもしれないが、今なお根強い問題を抱えている人種問題を50年代にやってのけたというのは意義深い。南部が舞台の作品ではなかなかの秀作である。 【きいろのくじら】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-12-12 02:38:45) (良:2票) |
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6.《ネタバレ》 人種差別という重たい題材が使われていますし、話の展開も読めてしまう映画ですが、面白かったです。男の友情を描く映画はいいですね。 【アキラ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-03-23 12:51:36) |
5.男には、時として 女よりも友情を取ることだってあるんだぜ。 【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-02-23 20:20:49) (良:1票)(笑:1票) |
4.まず最初に、正確にはこれって監獄からの脱獄シーンがあるわけではないです。いきなり逃げてます。以上・・。 ・・・で終わってしまうのもなんか味気ないかな、ならば続けておくならば、正直、二人の白と黒の関係、ひたすら続くよ 最後まで。 だから、あんまし今時のお子様世代には見せてほしくはないかな、変な差別意識を持たせてしまいそうだから・・ それに女性、なんか頓珍漢な母親出てきたし、あれではお子チャマかわいそうです。女性もヘンに描かれていますね、男の為の作品ってところでしょうかな、 【3737】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-10 00:08:03) |
3.黒人と白人の脱走囚がひとつの手錠でつながっている。心ならずもお互いに協力し合わなければならない状況のなかで、人種差別の空しさが浮き彫りになる。森の中で蛙を捕まえ火で炙り、二人で貪るように食べるシーンがそれを象徴している。生きるのに白人も黒人も関係ない。 黒人は陽気に歌を唄い、白人は陰気に空を見上げる。 はじめは耳障りにしか聞こえなかった歌が、ラストでは名曲に変わっている。 【michell】さん 8点(2004-10-10 12:14:10) (良:1票) |
2.58年と言う公開当時の黒人差別の社会状況は現在とはまるで違う。法的にもはっきりとした差別があった時代背景を思えば、黒人と白人がつながれて逃走するうちに友情が芽生えるという話は斬新なものだったと思う。しかも黒人が白人と対等に主人公の一人を演じるというのは、社会派と言われる監督の問題提起でもあったのだろう。手錠でつながれたまま不自由な逃走をする緊張感、二人の心理的変化などをモノクロのロケーションで見せるが、主演の二人の好演もあってラストのやるせない幕切れまで緊張感が持続する。 【キリコ】さん 8点(2003-12-06 20:47:21) (良:2票) |
1.始まって数十分で展開が読めるのは欠点かな。手錠で繋がられた白人と黒人が逃亡、いがみ合う二人、う~~ん先が完全に読めちゃうよなぁ。人種差別をベースにした逃亡劇だが、個人的にはそういったメッセージよりか娯楽映画としてみた方が面白いと思う。逃げる者、追う者は非常にコミカルに描かれていて、緊張感を煽るというより、男同士の友情の芽生える過程を中心に描かれている。それとなんといっても、ラストの汽車に飛び乗ったカレンが怪我をしたジャクソンを引き上げようとして、結局二人とも振り落とされてしまうシーンは友情の証みたいな感じで見応えがあった。 【ゆたKING】さん 8点(2003-02-25 22:48:56) |