18.《ネタバレ》 日本警察の実態にフォーカスした映画は記憶にない。少なくともあの時点では、警察の危機管理能力が十分で無かった事が如実に分かるお話でした。最初にフィクションだとテロップを入れる理由は、一部の長野県警職員の描写に対する配慮なのでしょう。でも、ほぼ実話と思ってい良い内容だと思います。ストーリーの内容は褒められたものでは無いけど、映画としては見応えがありました。志の高い作品です。 あさま山荘事件というより、警察の対応を描いています。そのもたつき具合が情けない。強力な火器を所持した立て籠もり事件に対する経験不足。それはある程度は仕方がない。何事にも最初はありますから。でも、警察内部の縄張り意識によるもたつきは、情けないというレベルでは無い。みっともないです。言葉を足しておくと、長野県警の縄張り意識は、中央に対するコンプレックスの裏返しです。本作を観る限りは、事件解決を妨害しているようにしか見えません。その暴露的な姿勢に意義があると思いました。 近年の刑事ドラマはサブストーリーとして警察内部の軋轢を描いたものが多い。フィクションをリアルに見せるための演出ですが、未だに縄張り意識はあるのだと思います。それは組織の問題なのか、関係者個人の問題なのか。いずれにせよ、一般庶民にはとても迷惑な軋轢です。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-03-14 15:59:43) (良:1票) |
17.リアルタイムで中継を見た記憶はあまりないのですが(まだ子供でしたしねぇ)、当時この事件が大ゴトだったという記憶はハッキリ残っています。それは山荘の建物を見上げた映像ばかりが記録された世界でしたけれど、その場所で実際に動いていた人達、そこに色々な物語があった事を描いたこの映画、とても興味深く見ました。映画は事件の経緯を殆ど説明せず、起こった事件に対しての警察の対応を描いていて、その混乱ぶりは滑稽でもあり、情けなくもあって、だけど人間臭くて。一方で犯人側については全く語られないワケですけど、別にそこをちっとも見たいとは思わないのは、私が世代的にその人達を理解したくもない状態だからかなぁ。安易に世代論で割り切っちゃうのはいかんですよ、と頭では思ってるんですけどねぇ。デジタル撮りをフィルムに焼いた映像は暗部がごってりとイヤな色の乗り方していて、それが難点と言えば難点でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-06-19 19:56:32) |
16.《ネタバレ》 「連合赤軍の前に戦わなければならない相手がいる」それは、田舎警察であり、上層部であり、マスコミであり、世論であり、そして、恐らくは自分自身。日本一有名な「あさま山荘事件」における警察のすったもんだを描いたこの作品、意外と評価が低いようだが、日本でもこういうタイプの映画が作られるようになったということを素直に喜びたい。連合赤軍の内情については一切描かないという思い切った脚本も素晴らしい(赤軍については若松監督の『実録・連合赤軍』等を観れば良い)。役所広司はじめ、キャスティングも巧い。「人事を尽くし、天命を待て!」 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-06-29 06:55:16) |
15.現場の混乱が生々しく伝わってきて、「そうそう、あるある、こういうの」とか「いるいる、こういう人」というように感情移入して見ることができました。視点を警察側に絞って犯人側の様子が全くわからないところも、リアルタイムで現場にいるかのような感覚を味わえてよかったです。 【ジントニック】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-05-05 22:11:04) (良:1票) |
14.コメディ色が強いから、だいぶ脚色されたのだろうと思ったが、観ているうちに、これが真実なのだろうと思い直した。発砲には慎重な日本である。テポドンも見逃しちゃう日本。テロ対策もなってないだろう。30年以上も経ってるのに。そう思うと、当時、事件を乗り越えただけでも立派なもんかも。戦争じゃないってだけで、犠牲者が出たのにも関わらず、笑いを挿入しちゃってるのはどうかって気もするけど、でも、どんな過酷な状況でも笑える部分はあるのかもしれないし、そんな部分を振り返ってみて笑い飛ばせるような人だから、乗り越えることができたのかも(そんな人だから本を出しちゃうのかもしれないけど)。ドキュメンタリーとしても、映画としても観れる作品。役所さん、秀逸。 【日雀】さん 8点(2005-02-15 19:00:12) |
13.戦後の大事件を映画化したということで、私は価値ある一作だと思っております。当時の様子がよく描かれているのではないでしょうか。殉職された方に改めてご冥福をお祈りいたします。 |
12.一言、おもしろかったです。ちょっと、 長いかなぁってぐらいです。 【幕ノ内】さん 8点(2004-03-30 19:07:06) |
11.機動隊や警察の人間をヒーローとしてではなく普通の人間として描いているのが新鮮。藤田まことの後藤田が出色。 【ひろみつ】さん 8点(2004-03-22 22:24:34) |
10.久々におもしろい邦画を見た。脚本・監督の原田眞人という人は、カットの切り方が本当に巧い。このショットは何秒見せれば観客に伝わるということがよく分かっている。「金融腐食列島[呪縛]」では、その精緻な演出にストーリーが伴っていなかったが、この「あさま山荘」は実話の力を借りて、見ごたえのある力作に仕上げてみせた。■カットの巧さは、犯人側の描き方に顕著だ。作中、犯人の全身像は3度しか現れない。異様に正確な狙撃弾だけで意思表示をする彼らだが、本編終盤で再び姿を現す。それは、外気を吸おうと崖側の窓を開けて現れた、まるで高校生のような少年である。山荘攻略の苦闘をたっぷり見せつけられた後のこの一幕には愕然とする。そして何よりも、連行の時にほんの一瞬画面をかすめ通る犯人の眼光。ここのカットの破格の短さは凄いとしか言いようがない。■強烈な印象を残す犯人側に比べていかにも無統率の警察側は、最近の日本映画に馴染みの鷹揚さで描かれ、安心して見ていられる。また、若い警官同士が拳を突き合わせて挨拶を交わすシーンのような、階級間の敬語やフランクさの按配の付け方がいかにも30年後の若い監督のメガホンによるドラマ化作の趣で、これもこれでなかなかいい。戦後四半世紀を経た日本の庶民意識を象徴させられ、ずいぶんアホな姿に描かれてしまった地方県警は気の毒ではあるが、マスコミを更にクズ扱いしていることで勘弁してほしい。「だったらあんたが志願するしかないよ」と詰め寄られた時の県機隊長氏の心境は、画面から十分伝わってきた。■唯一、ファランドール踊りだけは差し替えてほしいと思った。一杯一杯の主人公のこういう仕草は日本映画で何度となく見かけるものだ。 【本橋哲郎】さん 8点(2004-02-10 19:49:00) |
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9.「コメディに見えてしまう」『シリアスドラマだと思ってたの?最初からトボケた音楽だったでしょ?』。「踊る大捜査線の影響か?」『パロディーに決まってるでしょ。気づかないほうがおかしい』・・私はできたらこれ、R-15ならぬR-45に指定してもらいたい。地上波のTV放映もやめてほしい。ブツブツに切られた本作を見て面白いわけがない。そしてこの笑いは、オジサン、オバサン向けのものだと思うんです。こと「表現」というのは、ステロタイプの裏をかいてこそのもの。佐々氏の名前を残しヒーローにしてしまった事には不満も残るものの、立派そうに見える組織も、一皮むけばこんなもの、と茶化しているところは、痛快、愉快です。それと、前作もそうでしたが、邦画にありがちな湿っぽさがないところがいい。そして、茶化しながらも、俄仕立ての組織で右往左往する人々一人一人に対する視線は冷たくはない。まあ、「情けない一歩手前の男のダンディズム」みたいな感じ。それと、群像劇としてのさばき方もさすがです。さて、とはいえ文句のある方々の言い分もわからぬではありません。誤解を与えた最大の犯人は、「実録もの!」ということを強調していたTVCMですね。あれはいけません。それと、タイトルにも問題は感じます。そもそも、あの原作を使うことによって、佐々氏や警察を持ち上げたかったのか、という憶測が起きることも、企画の段階からわかりきっていたはず。監督ってば団塊世代なのに、読みが甘くて、批判を抑え込めるだけの工夫が足りなかったんじゃないの?と、そこもちょっと不満。いっそ架空の国の話にしてしまったりする手法もあり得たんじゃないかなあと。もっと徹底してカリカチュアにしてしまったら、どうだったでしょうね。「ふざけてる」とやっぱり言われてしまったかしら?(実際、監督はオオマジメにふざけたかったんだとは思いますけどね。ふざけながらマジメなことを言ってるとも思う。ラストでそれを感じます)まあとにかく私は、これはこれで今の日本映画にあっては上出来でしょう、と思うわけです。「オトナのコメディ」として。(じゃあこの映画は連合赤軍については、何をどう伝えたいのか、伝えてないのか、という疑問も当然湧くかもしれませんね。描かないことによってちゃんと表現できてる、と私は思いますが、その理由はこのレビューでは書ききれませんなあ。また今度ね~(^o^)丿) 【おばちゃん】さん 8点(2004-02-08 16:40:08) |
8.邦画だし、あさま山荘事件だし…なんてあまり期待せずに観たのですが、面白かったです。ヘラクレスの選択というのはすごく心に残りました。あさま山荘事件を伝えるということじゃなくて、「突入せよ!」っていうほうがメインなんでしょうね、こういう視点から見れたのも良かった。確かにセリフが聞き取れないところが多かったけれど、リアルな感じもしました。警察も大変だなぁ。 【ckeru】さん 8点(2003-10-12 15:02:43) |
7.リアルタイムでは浅間~を知らないけど、作品的には非常に面白かった。今も昔も組織の中での苦悩や葛藤など、変わらないなあと実感。ストーリー展開がコミカルに進んでいるが実際も変わらないのであろう。どんなに緊迫した場面でもしたくなりゃあウンコもしたくなる。事件がシリアス過ぎて日常を含むシーンはどれも滑稽で緊張感がないように映るが、そこにこそこの事件のリアルを感じる。 【SPEED】さん 8点(2003-08-18 05:06:37) |
6.子供のころ、TVで見ていました。鉄球のシーンは、今も記憶に残っています。警察内部のいろんな対立は、「踊る大捜査線」とは別の意味で面白かった。 【MORI】さん 8点(2003-08-07 15:01:16) |
5.仮にこれがフィクションだったとしても傑作。役所広司に随伴しているだけの若者をことさら重要そうに撮っていたのは、遊人という監督の息子の出番を増やしたかっただけ? 【上海魔人】さん 8点(2003-06-07 13:52:52) |
4.私は,小学生の頃リアルタイムでこの事件を見た世代なんですけどね。当時,札幌冬季五輪の興奮醒めやらぬ時期でしたから,衝撃的でしたよ。やはり60年安保とか,安田講堂事件,よど号事件,テルアビブ空港乱射事件等の相関を知っていた方が,すんなりと作品に入れるな,と思いました。ちょっと見でも,緊迫感は痛いほど伝わってはきますが,赤軍派がどのようなプロセスで連合赤軍となり,やがて,当事件と同時期に「そうかつ」の名の下に粛正劇が行われたこと等,頭の片隅にでも入っていると,より理解は深まるのでは,と感じました。佐々さんの手記が原作だったのですね。一度読んでみたいものですね。現場での混乱やそれを理解し得ない上層部等,警察の組織構造や事件への対応が赤裸々につづられていた点,評価したい硬派の社会派ドラマだと思います。ただ,やはり長野県警の方々どう思われるんでしょうね・・・。あと,出演者は皆うまいですね。特に↓私も後藤田正晴役の藤田さん,絶妙だと思いました。さらに,評価したいのは30年前の風俗考証。車両や服装等見事でした。革製の冬靴にお湯をかけるシーン等妙なリアリティがあります。如何に現代が贅沢で,物なんて豊かじゃなくても立派に生活できていたことを思うと,ついつい30年たっても,深刻な社会問題が増えただけじゃねえか,と思ってしまいました。あと,関係ないけど,本名でない方,居ましたね。私も敢えてこれ以上は言いませんが・・。 【koshi】さん 8点(2003-03-16 15:42:04) |
3.久しぶりに邦画のおもしろさを感じる映画。静寂の雪の中銃声だけが不気味に聞こえる。前半の靜と後半の動が見事に流れをつくっている。いったい長野県警はこの映画を見てどう思ったのか。 【まさ】さん 8点(2002-11-30 19:43:47) |
2.劇場で見ました。いいなとは思ったものの音響が悪かったせいか良く分からず、本日DVDを購入してもう一度鑑賞。なかなか面白い作品だと実感。あの陰惨かつ歴史上重大な事件を、初めユーモラスにまったりと、突入シーンは緊迫感を持たせて描くあたり、監督の技量&センスのよさはなかなかのものではと改めて実感。ちなみに佐々氏の原作本もお勧め。 【z3000】さん 8点(2002-11-04 01:13:46) |
1.「あさま山荘事件」犯人側の事勉強してみたくなった。 【MITSU】さん 8点(2002-05-19 19:15:06) |