83.《ネタバレ》 某有名小説と展開が似すぎていないか?というのが長年気になっていたのですが、改めて見てみると、某有名小説の方が技巧に走りすぎているのに比べ、こちらは正面から人間の中核を表現することに挑んでいるので、こちらの方が感動が上ですね。レナードは、昏睡から醒めることはできても、1人で外に出ることも許されませんでした。本当に難しいのは、目覚めることではなく、目覚めた後にどうするか、ということなのです。そして、すべてが元に戻ったときの虚脱感と、そこからの再出発。隅々まで表現しきったデニーロとウィリアムスの名演に拍手。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2023-03-04 14:41:15) |
82.《ネタバレ》 いわゆる”死ぬまでに一度は見ておけ”シリーズの典型作品ですが、まさかの未見でした。昔から思っていましたが、ディカプリオアプローチや(トム)ハンクスアプローチと比較して、デニーロアプローチは本当に素晴らしいと思います。デニーロは一生懸命やっているように見えないのにきちんと役柄に根付いている点が素晴らしく、彼特有のはにかみ笑顔や彼の雰囲気がシッカリ残っている点も素敵です。 本作には大物役者が多数出ていますが役がバッティングすることもなく、自然な作品に仕上がっています。セイヤー医師(ロビン・ウィリアムス)はいうに及ばず、ポーラ(ペネロープ・アン・ミラー)とのダンスは本当に素敵でしたし、上司のカウフマン医師(ジョン・ハード)も嫌味を言いつつも優しい素顔が見え隠れする存在感を放っています。後に有名になるピーター・ストーメア、ブラッドリー・ウィットフォード、ヴィン・ディーゼル、マックス・フォン・シドー(こちらは大御所)ら、脇もかなり豪華です。 ダンスの後に窓辺に歩み寄るシーンは泣けます。その後は予想通りの展開になる訳ですが、どこが真実でどこが創作なのか興味が尽きません。医師としてはセイヤー氏は少々無責任でやり過ぎたといえるシーンもありますが、それでも人として親身に行動しているという行動原理自体は正しかったのではないかと感じます。家族を大病で失いかけた経験がある方でしたらかなりの部分まで許容できるのではないかと感じましたし、またセイヤー医師の存在はかなりありがたいのではないかと思います。 映画としてもすこぶる綺麗にまとまっていて、名作の名にふさわしい手堅い作品です。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-07-19 12:09:47) |
81.《ネタバレ》 かつて一度鑑賞したことがあったが、職場で人と話題になりDVDを貸してくれるというので久しぶりに二度目の鑑賞。一回目の時にレビューもしていなかったようなので改めて記録も取ることにしました。 やはり少し記憶に残っていたようで、なんとなく全体に既視感を覚えながら鑑賞していました。不器用ながら患者のために尽くす医者役のロビン・ウィリアムズさんと、自分の人生の大半を病で過ごし、薬によって少年期の記憶のまま目覚めたレナード役を、もういい年したおっさんのロバート・デ・ニーロさんが見事に演じていました。おっさん顔なのに少年のような笑顔や泣き顔をするってかなり難しいと思うのですが、怪演でした。 医師のセイヤーは、研究畑で慢性神経症どころか臨床経験がほぼないという医者。あれよあれよという間に慢性神経症患者の臨床医となってしまうが、生来の真面目さからか、患者にしっかりと向き合い、やや向こう見ずに突っ走る傾向はありながらも患者のためにまっすぐ力を注ぎます。今でいうと「研究オタク」とでも揶揄されそうなセイヤー医師ですが、患者のために体を張れる、立派な医師だと感じました。そんな人間味あふれるセイヤー医師を、ロビン・ウィリアムズさんが完璧に演じています。いや、本物のセイヤー医師を知らないので完璧というと語弊があるかもしれませんが、不器用ながらも人としての優しさが滲み出ていて、患者たちに信頼される、そんな医者の役がピッタリはまっていたと感じました。 対してロバート・デ・ニーロさんと彼が演じるレナードについて。デ・ニーロさんは上述のように、あの歳にして少年の顔や表現ができる凄い俳優だと感じました。引き出しいっぱいあるんでしょうね。セイヤー医師によりようやく効く薬が見つかって、一晩で劇的に回復したレナード。これまで何十年も言葉すら交わせなかった相手が話しかけてくれたらそれはもう感動ですよね。ここで終わればただのハッピーエンドだったのですが、映画はその後の展開までしっかり描かれます。レナードはじめ他の回復した嗜眠性脳炎患者たちも、時間の経過や今の自分達の置かれてる立場に戸惑いを覚えるようになり、ついには「ここから出せ」「俺たちに自由を!」とデモを始めます。 久しぶりに鑑賞して、じゃあ自分が嗜眠性脳炎患者だったらということを考えてしまいます。段々と手がしびれるようになり、ふと全くの不意に自分が眠ってしまう。体のあちこちがカクカクとしか動かせなくなり、次第に全身の自由もきかず、その間何十年のことも記憶に無い。壮絶ですよね。そしてある日突然目覚めたらそこは病院の中。自分の姿や世の中の変化にも驚きながら、しかしそこで恋もする。好きなあの人と二人で出掛けたりと意識が外へ向かうが一人で外出する自由はレナードにはなく、不満が爆発し上述のようなデモに発展させてしまう。デモまで起こすかはわかりませんが、自分でも何か不満をいだいて不平を述べたりするでしょうね、きっと。脳炎患者たちが回復して各々自分の意志の向くままに動いたり喋ったりするのを見て、病棟の黒人医師が「前のほうが良かった」と冗談のようにぼやきますが、何もせずただそこにいるだけの人形のような患者より、自分の意志で動いて自分の意志を表現する人間のほうが相対する人間にとって面倒がかかるのはまあ当たり前ですよね。 やっと手に入れた自由を謳歌したい患者たちと、突然治った患者たちをいきなり単独で外の世界へ出せない病院のジレンマ、あと双方どちらの主張も理解できる自分に歯がゆさを覚えました。どっちの立場もわかる。なのでどっちの味方になることもできない。ましてレナードは症状の揺り戻しが始まっていた。あの状態で一人で外へ出せないという判断は病院として当然だとも思いました。 嗜眠性脳炎そのものや、誰かがそれを発症したときの周囲の人の気持ちに思いを馳せることができた映画でした。今ではほとんど姿を消した病気ということですが、実際にあったストーリーとしてそういうものを現代でも見られるということが映画の醍醐味ですね。 【TANTO】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-07-07 17:46:13) |
80.《ネタバレ》 30年ぶりの再見。ロバート・デ・ニーロのキャリア中ベストアクトであるレナードの喜怒哀楽に息を吞みっぱなし。未承認薬使用の功罪を考えさせられる傑作。レナードの母の胸中を思うと胸が詰まる。 |
79.《ネタバレ》 全然映画を覚えてなかったので、20数年ぶりに本作見直しました。ロビン・ウィリアムズとロバート・デ・ニーロという超大物が主役ということということで、終始落ち着いたムードの作品。薬物投与による副作用は当然考えなければいけないが、この病気は不治の病。誰かが犠牲(モルモット)になってしまうのは、致し方ないことなのかなーと思った。しかし、デ・ニーロという俳優は本当にどの年代でも魅せられる俳優だ。ロビン・ウィリアムズの先生役は当然はまり役なのだが、デ・ニーロの演技で霞んでしまうほどである。実話であるが、十分な内容である。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-03-28 12:19:46) |
78.毎日をしっかり生きることの尊さを痛感させられる。コミュニケーションが取れない人も生きているということは周囲も理解しているだろうが、その人の感情までをも理解しているのだろうかと問いかけられた気持ちになった。 さらに、門外漢の医師ゆえに気付きがあった点にも注目したい。物事を軽んじることがどれほど罪になり得るかを、患者を治そうと思うことを無駄のように考えていた医師を見て、自戒する思いになる。思いやりのある人になりたいと思うと、作中にあったセイヤー医師の笑顔が目に浮かぶ。 【さわき】さん [地上波(字幕)] 8点(2016-12-17 18:32:52) |
77.ロバートデニーロもロビンウィリアムスもとってもよくて、 脚本もいいのだから、文句なくいい映画。 |
76.《ネタバレ》 せりふを使わないで発病の経過を示していく導入がすこぶるいい。ベンチに名前をナイフで彫りかけて手がしびれる。いつも成績がAかBのレナード君のテストの採点をしている先生がノートを調べると、単語の端がズーッと流れてる。ここらへん怖い。友だちが遊びに誘いに来たのに、帰さなければならない雪の日。視点は医者に移り、バイキンの本見ながら食事をする学者肌。治療が始まる。ボールによる訓練、音楽療法。床の模様替えをして、ルーシーが歩き続けるとこ。水飲み場へ行くのかと思っていると、その脇の窓辺に立つの、ニクい。で新薬の投与による目覚め。悲喜こもごも。熱帯植物園で退屈してるあたりのユーモア感覚。やがて「アルジャーノンに花束を」的な展開になり、ドアの外の自由から遮断される。痙攣が始まると歯を磨くときに便利、なんてユーモア入れちゃうのも凄い。娘が食堂でダンスしてくれるのに泣けるが、彼女がバスに乗るまで窓から見送るのも涙。そう、これは窓の映画ね。R・ウィリアムスはいつもの通り邪気のない善意の人で、困った人でもある。映画も彼を勇気のある立派な人とのみは捉えてなく、でも大量投与で少なくとも一時的な目覚めを与えることは出来たわけで、医療と言うものの難しさを思う。人と人との間にある距離のはるかさ、それだけに人と人とが出会えることの奇跡的な美しさ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-09-07 09:55:22) (良:1票) |
75.これはもうデ・ニーロの演技に尽きるかな。ロビン・ウィリアムスや脇役のキャラもそれぞれに魅力がある。こういう医療モノ、好きですね。 【noji】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2012-03-05 22:34:37) |
74.小学生の頃に鑑賞して以来、作品名がわからず20年近く探していた思い出深い映画です。今観ても泣けました。ロビン・ウィリアムスとロバート・デ・ニーロが本当にいい演技をしています。 【アフロ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-06-21 02:00:25) |
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【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-06-13 13:57:10) |
72.最初見た時の衝撃があまりにも大きかったが、数年たってようやく「事実に基づいて作られた映画」ということを意識して、2度目を見ることができた。 ロバート・デ・ニーロの演技力は言うまでもないことだが、今回はセイヤー医師の人間としての人柄を感じることができた。 医学がもっと発達して、不治の病が解決できるよう願いたい。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-01-30 10:36:12) |
71.《ネタバレ》 どうしようもなく感動しました。とくにレナードが再び意識を失ってゆくとき、先生がフィルムを見るシーンで、号泣してしまいました。 【lalala】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-22 05:12:26) |
70.二人の名優の神演技を堪能できます。激しく痙攣しながら鬼気迫る形相で「学べ!学べ!」と叫ぶパーキンソン病患者。R.デニーロにしかできません。とことん不器用でシャイな医師が、嬉しいときにちっちゃな目をキラキラさせてはにかむ様子。R.ウィリアムスにしかできません。展開に無理のない抑えたエンディングも良かった。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-28 16:24:01) |
69.《ネタバレ》 結局解決してないといえばしてないんだが、人間性ってのがどこらへんにあるかっていう解釈の一つのようにも思えるのでこれはこれでよかった。主人公が入れ込み過ぎてないのもいい。 【デフォルトモード】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-23 18:43:52) |
68.ロバートデニーロの演技がスゴイ。人生って何かを考えさせられた。 【ボクマン】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-12-14 10:30:03) |
67.デ・ニーロは改めてすごい人だと実感。やはりこの人は努力の人なんだなと思います。でも、この作品に関してはロビン・ウィリアムス演じるセイヤー医師が強く印象に残りました。人と関わるのが苦手で、ずっと研究室勤務。その彼が初めて患者と接する。気が弱く、不器用で口下手ですが、誠実な人柄である医師を演じる彼が素晴らしく、ひげ面にあの笑顔がたまらなく好きです。人と接する事が苦手だった彼がレナードと出遭ったことで彼に友情を感じ、人と人が出会い、心が触れ合う事の素晴らしさを知ったのだと思います。そしてラストでレナードが目覚めた直後の映像を見つめるシーン、一番の理解者であった看護士との「彼は先生の友達」という会話の後、お茶に誘う終わり方はとてもよかったと思います。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-11-28 20:23:57) |
66.《ネタバレ》 人間の尊厳について深く考えさせられました。レナードは副作用によってどんどん元の状態に戻っていって仕舞う。しかし真に彼に必要だったのは薬では無く、他者の愛情であり、それが人間にとって何よりも必要な事なんだと。この映画を観た後だとこの言葉が非常に深く心に突き刺さる様な気持ちになりました。 レナードや他の患者は結局一夏しか自由(といっても病院内だけですが)を得られませんでしたが、セイヤー博士の治療は無意味なことでは決して無いと思いました。 セイヤー博士とエレノアのロマンスもサラリと本筋に挿入する位に抑えていたのは、とても好感が持てました。 ロバート・デニーロの演技に関しては、もう他の人のレビュー通りです。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-24 23:16:59) |
65.《ネタバレ》 一度救われた後、同じ悪夢が再度じわじわとやってくる状況、 自分にはとても耐えられない・・・。 鑑賞後もしばらく鬱になるほどに、デニーロの演技は神がかっていました。 【njld】さん [インターネット(字幕)] 8点(2008-04-19 23:21:48) |
64.《ネタバレ》 原作者で脳神経科医のサックスの本を読んで、そのヒューメインな姿勢と科学者としてのするどい観察眼に感動し、しかもロビン・ウィリアムズの大ファンとして私にとっては絶対に見なければいけない一作でした。デ・ニーロの演技(投薬によるチック症や一時的な統合失調症?)は「レインマン」で自閉症を演じたダスティン・ホフマンや「ア・ビューティフル・マインド」で正真正銘の統合失調症を演じたラッセル・クロウに並ぶと思いますが、この三つの役柄の中では一番衝撃的に感じました。神経の情報伝達物質ドパーミンが少なければパーキンソン病、多すぎればチックなどの困った症状が出て、分泌され方がめちゃくちゃになれば統合失調症、もしかしたら運動選手やアーティストでは、関連の運動神経系や知覚神経系でのドパーミンが分泌が他の人より多いのかもしれません。こういったメカニズムが完全に解明された暁には、脳神経関連の病気が根絶されるだけではなく、局所への薬の注入によって誰でも天才になることが可能になるのかもしれませんが、そんなことができる世の中にいなくて本当に良かったと思います。随意運動はできたほうがいいからとりあえず画期的な新薬をためしてみようというセイヤー医師の神に挑戦するかのような試みの顛末が語られていて、サックスの本を読んだ時と同じ感動に視覚効果が伴いました。レナードの副作用の攻撃性は統合失調症、チックはドパーミン過剰症の典型のようですが、デ・ニーロが演じたレナード以外の患者でそれっぽくない人もいたのでちょっと減点しようかな、といったところです。原作者のサックスも本作品の製作に関わったようですが、映画監督じゃないからそこまで注文はつけなかったのでしょう。ロビン・ウィリアムズのセイヤー医師の演技はアカデミー助演男優賞を獲得した”Goodwill Hunting”の精神分析医の演技よりもいいと思います。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-20 11:11:36) |