11.《ネタバレ》 シリーズ17作目。はははっジョーズだ!
源ちゃんの千切れた腹わたにボカシ掛かってるわ(※BSテレ東)、そこまでリアルに再現したんだなぁ。さくらは狂った挙げ句サメに食い殺されるし、現実と夢の関係を考えたりもしたけど、こりゃ何も考えてないわ。単に息抜きとして楽しんで創ってるんだわ。
満男の入学祝いというのが劇中時間の経過を感じさせる。あとおばちゃんが寅のことを「寅さん」から「寅ちゃん」に呼び方を変えてる。何作前からかなぁ?ご祝儀袋にいくら包んだんだろ?
シリーズ随一の名作と呼び声の高い本作。普段のように寅がバカをやるのでなく、お人好しな一面と、男気のある一面を見せる下町人情話。
この話が発祥かどうかは解らないけど、文無しジジイが実は金持ちで~ってのは割とよくある話。そして実は高名な画家で絵が高く売れて~ってのも黄金パターンかもしれない。古本屋店主が絵を見て青観作だと気づく展開は、解っちゃいるけど“おぉ~~!”ってなる。
青観と志乃のエピソードは、後からなるほど~と納得。当時の状況を知っていると、より意味深く感じられたことだろう。
前半と後半で別な話になるパターンかと思いきや、後半に大きな足跡を残す青観先生。借家のボロボロの床の間に似つかわしくない素晴らしい牡丹の絵は、芸者に身を落とし、貸した金は帰らなくても、明るく前向きに生きていくぼたんの生き様のよう。
「決まってるじゃないかよ、お前さんと所帯を持とうと思ってやって来たんだよ。」初めての決着が着かないパターン。この終わり方大好き。リリーの結婚話で、気まずい空気を作ってしまったから、ぼたんには自分から冗談としてジャブ打ちしといたんじゃないかなぁ?それだけぼたんとの気さくな関係を大事にしたかったんじゃないかな。
東京に向かって手を合わせる最後もすごく爽やか。一本完結の良い人情映画を観たなぁって気分にさせてくれました。