70.《ネタバレ》 21世紀にもなって、これほど「め〇ら」というセリフが多用される日本映画が観れるとは、もう嬉しくなっちゃいます(笑)。「北野武が座頭市を撮る」と聞いてびっくりしたもんですが、観てみれば勝新太郎の『座頭市』とは似ても似つかず、“リブート”というよりも“リコンストラクション”と呼ぶのが相応しいぶっ飛びぶりでした。その強さはもう超能力者レベル、だいいち座頭市が金髪というところからしてどうかしています。自分は本作の特徴は“リズム”をとことん重視した撮り方じゃないかと思います。タップのリズムで野良仕事する百姓など時には意味不明なところもありますが、シーンが切り替わるタイミングなんかも含めて快調なリズム感はなかなか心地よい感じすらありました。まるでポリウッド・ムーヴィーみたいなラストはちょっとやり過ぎ感すらあり賛否が分かれていますが、自分は好みです。初めて観たときはまだ『踊るマハラジャ』などのポリウッド・ムーヴィーを知らなかったので、そりゃびっくりしましたよ。このセンスならダンス・ミュージカル映画を撮らせたら面白いんじゃないかな。思うにこの映画での座頭市は狂言回しみたいな役柄で、浅野忠信の浪人夫婦や盗賊一味を追う姉弟のエピソードがメインなのかなとすら思ってしまいます。だとすると、このサブストーリーの描き方(とくに浅野忠信パート)が弱いのは気になるわけで、ここが本作の最大の弱点なのかと感じます。またラストで座頭市の座頭市たる所以を否定する驚愕(?)のオチが用意されているわけですが、これなんかも勝新版『座頭市』のファンから嫌われる理由なのかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2022-03-20 17:30:17) |
69.《ネタバレ》 この程度の「座頭市」で満足している奴らは、勝新太郎の「座頭市」を知らないからそんな事をほざけるのだ。 山中貞雄やマキノ雅弘の軽快で笑いあり涙ありの痛快さを知らんからそんな事がほざけるんです。 北野武にしたって、「キッズ・リターン」や「あの夏、一番静かな海」ほどの冴えがこの映画にあるかは不明だ。 といっても、三池崇史のクソッたれな「一命」や「十三人の刺客」よりは遥かにマシという程度のこの痛快ヴァイオレンス時代劇をどう語るべきか。 勝新ほどじゃないがその抜刀振りは深作欣二のヤクザ映画よろしくバッタバッタと斬り倒しまくりで中々良かったし、敵の懐に一瞬にして飛び込んでみせ「次会う時はテメえの胴をブッた斬る」という具合に“警告”をするシーンも面白い。 稽古シーンの皮肉も笑えた。 用心棒が痛い妄想をした瞬間、座頭の市が構えを変えてフイを付くシーンも笑いを狙っているとしか思えなかった。 このように、金髪の呂布が日本に上陸し、仕込み杖の座頭を“偽って”日本のヤクザ共をブッ転がしまくる映画である。 劇中やエンディングの盛大なタップダンスの津波。 踊るような剣戟が売りのマキノ正博(雅弘)の軽快さを彷彿とさせる。 思えば、北野武の暴力的なエネルギーは深作的流血で綴る漢のドラマ。下手なドラマはこの際いらんのです。 ただ、それを台無しにするCG演出には反吐が出る。 刀や流血までCGで“偽る”下劣さ、下品さ。フルCGなら別に気にしない。だが実写で二次元と三次元の壁を作ってしまっている時点で気分は台無しだ。ふざけんなこの野郎。 これが本当に後で「アウトレイジ」という傑作ヤクザ映画を撮る監督のやる事かよっ!? 何故たけし自身がタップダンスのような軽快さでやくざ共を血祭りにあげまくるようなシーンを撮らなかったのかが謎。俺はそれを見たかったのに・・・。 小学生の頃にtvで見事に“騙された”自分が悔しい。 その直後に勝新太郎の凄さを俺に教えてくれた地方局の再放送にマジで感謝。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-11-09 16:18:45) |
68.元来エンターテイナーである北野武が初めて挑んだ娯楽映画は、やはり圧倒的なエンターテイメント性に溢れた作品であった。オリジナルの「座頭市」は今だ観たことがないので、勝新太郎との比較はできないが、北野武が言うように、今作は座頭市という名を借りたまったく新しい時代活劇であるように感じた。独創的なユーモアと挑戦に満ちたその娯楽性はインパクトと芸術性を兼ね備えた傑作に昇華されている。浅野忠信の格好良さは印象的だが、それ以上にやはり北野武の存在感が衝撃的な眼光と共に光る。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-01-12 23:04:36) |
67.おもしろかったです。お友達に「みにいったほうがいいよ」と素直にすすめたい映画です。「エンターテインメント作品を撮るぞ!」という監督のことばどおり、どなたでも楽しめる作品に仕上がっていると思います。なんかもういろいろなこだわり的なものをすっかり捨てて、からっぽになって観て気持ちよく楽しんでもらえるといいなあと思います。そうじゃないともったいない。北野監督に楽しく騙されてください。 【クリロ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-02-27 20:54:23) (良:2票) |
66.《ネタバレ》 素直に面白い映画だと思います。 北野作品の中では万人に勧められる作品だと思うし。 殺陣のシーンも迫力あって格好良いし、幾つか笑えるシーンもあるし。 素晴らしい娯楽作品に仕上がっていると思います。 タップダンスもありだと思います。 何事もリズムが大事ですからね。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-04-13 16:13:07) |
65.《ネタバレ》 面白かった。かなりエンターテイメントしてて楽しめました。血の量も丁度良い感じです。賭博でイカサマやってる奴の手を切り落としてからの、皆殺しシーンがべらぼうに格好良かった。 【モンチョ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-11-11 11:37:57) |
64.これはスゴイ、面白い。たけし監督映画の中でも一番面白い。ストーリーは明快な勧善懲悪になっているけども、何度も繰り返して楽しめる。それってストーリーよりも”場面場面”が面白いってことだよね。たけしの殺陣がカッコイイ。目つぶって半開きの口をゆがめるしぐさがカッコイイ。鈴木慶一の音楽も安っぽくてカンヌっぽいけど演出効果バツグン。ラストの和製ダンス&ミュージックもツェッペリンの「ボンゾズ・モントルー」ぐらいカッコイイ。 【メロメロ】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-06-22 23:33:00) |
63.《ネタバレ》 浅野忠信の強さとカッコ良さが際立つ。にも関わらず、なぜあんなに簡単に負けてしまったのか。。2度も。 【山椒の実】さん [地上波(邦画)] 8点(2009-05-06 22:27:20) |
【こじろう】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-11-16 22:49:21) |
61.《ネタバレ》 当時ラストサムライと比べられていたと思いますが、個人的にはどちらも面白です。 というか、どちらも武士を扱っているものの、内容は全く別物で、比べる映画でもないでしょう。 この映画での魅力はリアルな描写でしょう。 手を切ったあとを見せるエグさもあるリアルさ、戦いのシーンの緊迫感など、俳優の演技も光っていました。 ダンスのシーンの音楽やテンポに力を入れて作られていますが、それほど必要性を感じませんでした。 陰と陽を作りたかったのでしょうか。 外国を意識して作ったようにも思えますし、なくてもよかったようにも感じます。 漫画のバガボンドの戦いのシーンを実写化しような描写ですので、ご存知で興味のある方は一度観てみてください。 北野武は映画となると、非常にかっこいいですね。 【コショリン】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-07-25 19:17:16) |
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60.音楽の使い方が斬新で効果的。特に浜辺のシーン、音楽といい絵といい間の取り方といい…映画観てあんなワクワクした感じは久しぶりでした。一瞬ながら良く練られた高密度の殺陣も素晴しい。姉弟は無辜の民を殺害する時点で庇われる資格はないでしょう。(新吉も市が居なければ殺されてた)「子供の頃に酷い目に遭った」というなら蝮の親分にだって言い分はあるでしょうから。この辺がマイナス。 ラストの「神社でタップ」、下手にやると「よさこいソーラン」みたいにになってしまう所(好きな人スミマセン)ですが、ぎりぎりの所で「独創性」という事で評価できます。職人気質が揃った男優勢に比べて女優陣がちょっと映えなかったかな…とも思いました。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-06-16 00:09:26) |
59.《ネタバレ》 最初に見たのは、アイルランドの映画館でした。いや、こう書くとなんか自慢話みたいな感じがしますが、普通に観光旅行で時間潰しに立ち寄っただけの話です。館内は意外と閑散としていました。まあ、こんなものなんだろうな、って感じもしました。私を日本人と見るや、チャンバラが好きで黒澤が好きだとかいうスペインから来たという役者志望の男がいろいろ話し掛けてきて、ちょっとうざったかったです。で、何がいいたいのかっていうと、そのチャンバラ好きを自称する彼が、映画が始まると、やたらと悲鳴に近い叫び声をあげてたんですね。いや、その反応の素直さに、かえって感動しました。確かに、これは、今までのどんなチャンバラ映画とも異なるものでしょう。もっといえば、座頭市という名前すらふさわしいのかどうかとすら思います。勝新太郎が演じ続け、築き上げていったキャラクターとはあまりに違いすぎる。しかし、北野がこの映画でやっている、自分自身の本来の路線と娯楽性とで、どうやったらおりあいがつけられるのかという実験は、成功しているのは間違いないです。 【いのうえ】さん [地上波(邦画)] 8点(2007-06-05 23:15:49) |
58.勝新太郎ってイメージからたけしもありかなって気分になりました。 タップダンスなども取り入れて、飽きさせない演出が面白かったです。 【甘口おすぎ】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-02-10 21:07:09) |
57.北野監督ならではのあの「間」が生きていて,何だかうれしかった。もっと早く観ていれば良かったと,今頃思ったりして。評判のタップは圧巻!タネ明かしのようなシーンも多かったが,この明解さも潔く感じてしまう。贔屓目かな。 【ロウル】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-11-25 15:27:54) |
56.《ネタバレ》 血がとにかく,ぶるぁって出てて,おいおいとも思ったけれど,おもしろかった.ワクワクしたし,ストーリーも良かった.たけし軍団の方々も良いエッセンスになったシーンもあったし.(たまにウケを狙いすぎかな?とも思ったけれど.まぁ,それが逆に座頭市のカッコイイシーンを引き締めたのかもしれないが.)そして,二段オチ!飲み屋のじーさんが…!ってときには驚きましたな.とにもかくにも,久しぶりにお腹がいっぱいになる良い映画でした. 【紺野 忠文】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-11-06 01:21:10) |
55.北野作品は食わず嫌いというか、難しそうで敬遠していた部分があったのですが、本作は素直に面白かった!基本的な構成は実にオーソドックスで観ていて安心感がありました。さらにテクニカル。見せ方の上手さ、構図の美しさを随所に感じました。そしてなにより意外だったのは娯楽性の高さ。これほど観客を楽しませることを意識してつくられているとは思いませんでした。流れるような殺陣も見ごたえあり。また、時折挟み込まれるベタなギャグが、いいアクセントになっていました。さしずめ牛丼における紅しょうがのよう(違うかな?)です。有名なラストのタップダンスについては、それまでの伏線(というか軽い予行演習)など、作品に溶け込ませようという工夫が見えました。これはこれでアリだと思います。ただ、娯楽性を追及しすぎたためか、物語の展開に(テレビ時代劇でみられるような)ご都合主義を感じてしまったのは、ややマイナスでした。それでも自分がこれだけ北野作品を楽しめるとは、嬉しい誤算でした。続編をぜひ観たいです。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-05 21:55:31) |
54.《ネタバレ》 最初は軽い気持ちでみていたのですが、だんだんと美しい映像と躍動するリズムに惹かれてあっという間にラストシーンまで見きってしまいました。 物語自体は、勧善懲悪・仇討ちと時代劇の王道なので非常にわかりやすいのですが、結構、こちらの想像を裏切ってくれるので飽きませんし、面白いです。 【TM】さん [地上波(邦画)] 8点(2006-04-16 22:49:33) |
53.なんと言うか、感覚的に楽しめました。うーん、映像がいいですね。全体的に画面が暗いシーンが多いので、赤い番傘のアングルや、おせいの舞など、美しいシーンが際立って印象的でした。予告を見た限りでは「時代劇にタップ?えー・・」と思っていたのですが、良かったです。 【ナオちん】さん [地上波(吹替)] 8点(2005-11-07 22:36:02) |
52.カルト評価の多い北野監督の作品ではかなり良い出来に仕上がっている。 (この監督で一般受けする作品は監督らしくないとも言えるが) まぁ【座頭市】に関しては先駆者(勝新太郎)のイメージが余りにも強すぎて リメイクではないが拝借するには勇気がいった事だろう。 所々にギャグとも思しき笑いが挿入されているが これは北野監督特有の一種の照れ隠しなんであろう。 オーラスの祭りの踊りは歌劇のフィナーレにも似た演出で非常に好感が持てた。 此れを機に勝新の作品もチェックしてみたい。 万人にお奨めのエンターテイメント時代劇と評価したい。 |
51.映画って所詮はエンターテインメントなんだから、楽しまなきゃって言う人にはお勧めの1本。殺陣もストーリもタップもそんなのあり?っていう突っ込みたいところはあったけど、最後までちゃんと見れたのだから良く出来ているんですよ。最後まで魅せる事が出来ない娯楽映画が多い中、貴重な作品である事は間違いなし。この手の作品に思想を持ち出して批評するのはかっこ悪いね。 エンターティナーである彼が作った、エンターティナーな1本に敬意を表し、8点献上。 【zackey】さん [地上波(吹替)] 8点(2005-11-06 23:32:47) |