11.竹内力と哀川翔のVシネ2代帝王が共演する三池崇監督の初期のR-15指定、
エログロヤクザ系バイオレンス作品。
「刑事と中国残留孤児3世との戦いを描いたバイオレンス・アクション」という知識だけで、
何の先入観ももたず観はじめのだけど、それはもう目を背けたくなるようなシーンや、
心情的につらいシーンで全体が覆われている。
好き嫌いは別として、かなり重めでダークなバイオレンス系作品としては、三池監督の手腕が光り
完成度も高く、十分すぎる出来の本作。
が、クライマックスの約5分程に差し掛かったとき、その価値観は根底から覆されてしまう。
何度も言うけど、内容が好きか嫌いかは別として、これまで地道に築き上げてきたモノを
土台からひっくり返してしまう三池監督の潔さ。
「自分はこれまで、いったい何を見せられてきたのだろうか」という戸惑いで、
ただひたすらバカみたいに笑いが止まらなかった作品である。