13.《ネタバレ》 ああなんてシュール。序盤から道に転がり出るピアノ。しかもこの楽器、最後まで引き取り手も現われず何かの事件のきっかけにもならんという不思議な存在。何を言わんとしているのか分かる方、教えてください。 7人ものモンスターシスターズに自律神経をやられちゃってるA・サンドラーのやや瞳孔開き気味の面構えと、何故その色を?と誰もが思う真っ青のスーツとか、この妙な感性がツボにはまるかがミソ。 私はとても面白かった。こういう作品は脇もシブイ。ルイス・ガスマンとP・S・ホフマンですもん、すばらしい。ガスマンがあの顔で画面中央に陣取るあの場面、なんでまた彼女がアダムを食事に誘っているとこにあの配置。思い出すだけで笑える。執念全開のアダムが散髪中のホフマンと対峙するシーンなど、馬鹿馬鹿しくも勇ましい。こんなけち臭い役を(おそらく友情で)引き受けるホフマン、人間がでかい。 さえない人生を送っている男に、母性あふれる彼女が降ってわく。なんか男性にとってはおとぎ話みたいな展開だ。破壊衝動と、マイレージがたまるプリンの山が背景のおとぎ話。シュールでキュートなこんな傑作を、この監督以外、誰に撮れようか? 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-06 00:16:27) |
12.《ネタバレ》 唐突な事故とそこに残ったオルガンから物語は始まる。自分は事故=恋、オルガン=他者と捉えた。内気で癇癪持ちの青年はオルガンを持ち帰えるが上手く弾く事ができない。机の上にオルガンを置くという本来のオルガンがあるべき姿とは違う形をとらせることで、オルガンとの距離をとり向き合う事ができない。 またプリンを買い、マイレージを貯めるという行為も彼にとっては貯める事が目的となり、マイレージが意味を持たず本来のそれの目的とも向き合う事ができない。 バリーは恋に落ちる。それは、事故のように唐突に瞬間的に。 彼は貯めたマイレージを使おうとし(実際には使えなかったが)リナに会いに行こうとする。マイレージが目的を持ち、彼の人生にも目的が生まれた瞬間。そして今まで、行き場を失い物にしか向かう事が無かった怒りが、始めて暴力という形になってゆすり屋に向かう事で怒りが意味、目的を持つ。 そしてラストの床に置かれたあるべき姿のオルガンと向き合いそれを弾くバリー。人生に意味と目的を持った彼が、彼なりに他者と向きあう事を決意した瞬間なのだと感じた。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-02-10 16:49:02) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 よくわからない映画だけど何故か8点献上作品です。 冒頭のでんぐり返った車はその後どうなったのか。 置き去りにされたピアノの意味は。 それらはピリッと研ぎ澄まされた緊張感を生み出しているのは間違いなさそうですな。 常に何かが起きそうな感じを与えつつ、所々に用意した笑いで緊張感をほぐす。 それらがリズムになって少しづつ理解出来る様な演出が素晴らしいのと、清々しい空気を感じさせてくれる美しい映像も良かったです。 説明がないから映画の奥行きを感じられるシャレた作品でした。 【仁】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-07-23 23:53:51) |
10.ポール・トーマス・アンダーソンって、本人が子供のころから、しょっちゅうキレやすい性格だったそうで、そのせいか、彼の映画の主人公はキレてばかりいます。本作の主人公もキレやすい性格ですが、秘密を暴露されて、トイレに駆け込み、片っ端から物を壊す場面は、私も何故か共感できます。なんとなく笑っちゃいました。誰でも一度はアダルトサイトにかけた経験ってありますよね。そこから広がっていく展開も面白くて、最後までいろいろな意味で主人公が爆発してくれて、私も気分爽快になりました。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-04-17 08:38:32) |
9.エミリーワトソン、やっぱいい。 ポールトーマスアンダーソンワールドに アダムサンドラーがトコまで・・・と思ったけど このカップリングは結構イケルのでは。 割とリピート映画です。 【Pecco】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-07-20 22:13:23) |
8.マグノリアの監督だったんですね、いま知りました。よかったです。アダム・サンドラーの新境地か。珍しくジューイッシュな儀式が出なかったですね。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-08 16:18:59) |
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7.《ネタバレ》 オープニングだけで7点以上確定でした。満点もありえたんだけど、意外とエロ電話のくだりが大きく関わってきて、笑えるシーンが減っちゃったのが残念。やっぱり序盤のトイレ壊したりとか窓ガラス割ったりするようなシーンで大いに笑わせてもらったんで、そのノリで突っ走ってもらいたかったかな。とは言ってもアダム・サンドラー対ホフマンの罵りあいは良かったし、四人組をやっつけるところなんかは異様なテンションですごくスカッとした。 全体的に各シーンで画が凝っていてキレイな作品でした。アダム・サンドラーのファンになった。 |
6.ポール・トーマス・アンダーソン監督待望の新作。キレ気味で頭のヨワい男に降ってわいた恋の物語。とにかく『奇跡の海』以来、『レッド・ドラゴン』に至るまで変な男に巻き込まれっぱなしのエミリー・ワトソンがたまりません。不思議な色気を出せる人で結構ファンです。全体的におとぎ話のような雰囲気で、不器用な主人公を応援してしまいます。映画の初めにうち捨てられたおんぼろなオルガン?も最後には使ってくれる持ち主を見つけ、めでたしめでたし。でも、あまりに直線的な構図、90度単位にこだわり過ぎなカメラワークやちょっと気取った演出に食傷気味。これが最近の「おしゃれ映画」なのでしょうか。ちょっといやらしさを感じました。でも割と好みかも。時々挿入されるアートは色彩鮮やかで見とれました。 【おしりはばとび】さん 8点(2004-03-10 00:35:06) |
5.PTAはとにかくダメ人間への暖かいまなざしをテーマにする人だ。今回も例外ではない。いささかケレン味のあるオープニングでがっちりつかんでおいてストーリーを語る。今回びっくりなのは時間が意外と短いのと、アダム・サンドラーが実にいいという事だなあ。間違いなくアダム・サンドラーの最高傑作、っていうか他が酷すぎるからね。 【GO】さん 8点(2004-03-08 22:07:16) |
4.なんだか途中でウディアレン作品を観ているかのような錯覚に陥ったのはオレだけだろうか。オレだけだな。 【ナクサライト】さん 8点(2004-02-05 03:13:27) |
3.電話で話している相手に「今何してるの」と聞かれて「あなたと話してるんだよ」と素直で嫌味な答えを言いたくなる自分を肯定してくれてありがとう。そんな日もあります。日常的なようで非日常なストーリーへの引き込み方が良かった。アンダーソン監督、アダム・サンドラー、映像テクニック全て好みです。 【tomomi】さん 8点(2003-11-04 08:49:19) |
2.早朝の車道でいきなり横転する車があったと思えば、その後からやって来た車は古びたピアノを道路端に棄て去って行く。そして車の修理にキーを預けに来た謎めいた美女・・・。この唐突かつシュールな出来事で、我々は一気に物語に引きずり込まれてしまう、実に見事なオープニングだ。女姉妹ばかりの中で育ってきた主人公バリーは、自分を表現するのが苦手な為、俗に言うキレやすい性格だが、年頃の彼の事が何かと心配のタネでもある姉たちには、気後れしてしまうという小心者でもある。劇中の大半を青色のスーツ(決して紺色ではない)に身を包んでいることで、バリーの風変わりな性格が端的に表現されていて、面白い。そんなオクテの彼の前に現れたのが、やはりE・ワトソン!こういった一風変わった男を優しく包み込む女性という役どころは、現段階において彼女しかいないのでは・・・と思わせるぐらいハマっている。オーソドックスのようでいて、やはりどこか新鮮味を感じるラブ・ストーリーで、後味は最高。 【ドラえもん】さん 8点(2003-10-17 00:33:14) |
1.世間のどこにでもあるような変わった者同志のラブストーリー。盛り上がりもお涙頂戴もないのだが、妙に楽しい気分にさせてくれる不思議な魅力があります。映像と音のこだわり方は相当な上に随所にちりばめられたユーモアのセンス。純愛ロマンをお望みの方には不快感を伴うでしょうが、映画の隠し味が大好きなマニアにはお勧め!私も一度でいいからストレス解消に大きい窓ガラスをぶち割ってみたいですな。それからピンク系でのカード払いには十分注意しょう。 【つむじ風】さん 8点(2003-10-15 02:13:10) |