1.自分にとってガリバーの映像作品というとこれ、1996年のホールマーク・エンターテイメントによるテレビ作品で、ファンタジーの形をとったスウィフトの風刺小説が原作。 「アリス」(99)より先に作られたこちらも出来がよく、単調にならないよう回想と現在を組み合わせた構成も凝っていて、前編は有名な「小人国」と「巨人国」。(この2つは後の2つよりも時代背景を知らないと風刺の対象が理解しずらい) テッド・ダンソンが異世界に旅しそれぞれの国で「人間山」「人間虫」と呼ばれる船医レミュエル・ガリバー、息子とともに彼の帰りを待つ妻がメアリー・スティーンバージェン。 彼女に言い寄る医者もいてテンションが持続し、「巨人国」でガリバーの世話をする少女グラムダルクリッチ(「秘密の花園」のケイト・メイバリー)が自分よりずっと小さなガリバーに恋してしまうのがほほえましくも切ないエピソード。 俳優陣も豪華でピーター・オトゥールとオマー・シャリフが出演しているのも、デヴィッド・リーン作品ファンが喜びそうなキャスティングでした。