3.《ネタバレ》 『ロンゲスト・ヤード』や『カリフォルニア・ドールズ』は熱闘とはいっても命の遣り取りではないし、『何がジェーンに起ったか』は女の映画だ。アルドリッチなら、やっぱ主役は漢だろ!とくれば(前時代的でスイマセン)、『北国の帝王』『特攻大作戦』『合衆国最後の日』とかよりは、私は本作の方が好きなのですよね(か、異色だが『飛べ!フェニックス』もかなり好き)。
アパッチVS騎兵隊という構図自体は非常に一般的な西部劇であるとも言えるが、展開は極めてリアルで深刻・シリアス全開で少し疲れる程の見応えが有る。ウルザナとマッキントッシュはいずれも、感情を表情に出さない。殺し合わざるを得ない互いの運命と、それがもたらす悲惨な現実の全てを「達観」し、目的に向かって淡々と仕事をこなしてゆく様は正に正真正銘の熟達したプロフェッショナルであり、両人とも実に格好好い。代わって怒りを前面に出してゆく若い指揮官が視聴者の感情を代弁する構図も、ありがちだが感情移入を容易にする優れたつくりだと感じる。西部劇としては文句無しに傑作の域。