6.《ネタバレ》 最初に見たのは8年前に勝新が亡くなったときにやっていた民放テレビの追悼番組だったが、なにがなんやらよく分からないうちに終わってしまい、また、河内弁のドスのきいたセリフ回しが個人的に受け付けないものがあってあまりいい印象はなかったが、今回、8年ぶりにビデオで見直してみたら、すごく面白い映画だったのでビックリした。ストーリーのほうは展開が早いのでときどきよく分からない部分もあったが、勝新演じる朝吉と田宮二郎演じるモートルの貞の抜群のカッコよさに魅せられてしまった。最後に登場する女親分・麻生イトを演じる浪花千栄子もいかにも怖そうな親分を熱演していてとてもよい。ラストシーンは昔見たときも印象的だったが、やはり今回もいちばん印象に残ったシーンだった。そのほか、朝吉とお絹(中村玉緒)のからみのシーンは演じる二人のプライベートをちょこっと想像してしまった。脚本・依田義賢、撮影・宮川一夫の旧溝口組と田中監督の演出、そしてなにより主演ふたりの存在感が抜群に光る傑作。 【イニシャルK】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2021-05-13 22:25:44) |
5.《ネタバレ》 シリーズ第1作、朝吉が“悪名”をとどろかす前のオハナシ。まだまだ駆け出しのチンピラで、ブラブラしては女性に手を出す、まさに若気の至り。女性に手が早いという点を除くと、喧嘩がやたら強いとか酒が飲めないとか、何だか「じゃりン子チエ」のテツみたいですが、そういう目で見ると、“シルクハットの親分”って、ちょっと地獄組のボスを連想させますな。いや似てる訳じゃないんですけれど、この妖怪的なキャラが、「じゃりン子チエ」の世界と繋がっていて、その白眉が、2000人の部下を引き連れているという女親分イト。演じるは浪花千栄子さんですから、『宮本武蔵』のオババ並みにコワイ。という訳で、狭い世界に生きてきた朝吉青年の成長譚であり冒険譚、モートルの貞という舎弟ができ、誘拐された遊女の救出のため妖怪キャラが闊歩する因島へと乗り込む。そして、(後の作品ならクライマックスで相手を殴るのは朝吉の役目なのだけれど)因島の女親分にタコ殴りにされるという痛い洗礼を受ける。というのは要するにアレですな、“ナントカ族の成人式”でバンジージャンプしたりするのと同じ、一種の通過儀礼ですな。そういうホロ苦い、お話。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-01-21 23:58:44) |
4.ずっと前から観たくて、観たくて仕方なかった。皆さんのコメント通りの面白さ、既に全員が書かれているようになんてたって、勝新と田宮二郎のコンビが良い。アウトローな勝新とまたそれとは対照的にやたら勝気な田宮二郎、この二人を見ているだけでも楽しい。この映画について書かれている人を観るとやっぱりと言いいますか、予想通り、全員男!これは正に男の映画であって、女には解らん。理解出来ない世界だろうけど、こういうのに男って奴は弱いのでございます。それにしても一番、驚いたのが中村玉緒ですよ。何やねん?あの可愛さは、そりゃあ、勝新が惚れるのも解るってもんよ!この映画は一言で言えば粋な映画!つまりそういう事です。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-07-13 20:51:17) |
3.3~4度目の観賞も今回は久し振りで40年振り位か? 朝吉とモートルの貞。最高のコンビ。今観ても“やくざ映画”では最高峰!! 【ご自由さん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-05 20:58:18) |
2.面白い。女組長の登場シーンはド迫力で息をのみました。冒頭のニワトリ(?)を喧嘩させるシーンも、この映画を象徴しているようで印象的。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-01 15:19:20) |
1.第1作。座頭市シリーズも半分くらい見終わってマンネリ化してきたので、勝新三大シリーズの一つ「悪名」を見てみる。調べてみたら全16作もあるこのシリーズ、流石にその第1作目面白かったです。大正的な雰囲気のある昭和初期の風景がかなりお洒落な映画。そしてキャストがとても魅力的。勝新・田宮ともに若くてかっこよかった。田宮二郎なんか「白い巨塔」とはまた別の魅力が出てて惚れ直しちゃう。中村玉緒・水谷良重・中田康子・藤原礼子の女優陣に山茶花究や浪花千栄子といった個性的な脇役までいて豪華な作品でした。続編も見てみたいです。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-06 00:32:19) |