8.最近「ミセス・ハリス パリへ行く」も映画になったハリウッド流ファンタジー作家ポール・ギャリコ原作の映画化作品。
ファンタジー作家といってもこの人、出自がスポーツライターというだけあっていまいちファンタジーに振り切れてないところがあるんだけど、今のように映画でもテレビドラマでもアニメでもゲームでもノベルでもこってこてのファンタジーだらけになってしまっているなかではなんだかホッとできるような作風といえるかもしれない。
この作品の中で最もファンタジー要素といえるのは、たった一人の操作で人形があんなに細かい動作はできないだろ、って部分くらいだし。
わずか5巻の短尺もの、歌は「ハイ・リリー・ハイ・ロー」ただ一曲だけ。ダンスシーンも短いし断片的、華麗な群舞もない。
ダンサー出身のメル・ファーラーの面目躍如、かと思いきやあまり踊らないしレスリー・キャロンもあれ?いつものダイナミックなダンスは?って感じ。
これからMGMミュージカルを観るぞと意気込んでいるときには拍子抜けする映画かもしれない。
でもなんか観ててほっこりする。
これもやっぱりメイドインハリウッド。
ハッピーエンドがものすごくうれしくなる映画。
ただちょっと一人一人の心情の動きが複雑でわかりにくくなっているとこがあるのが難点。
心理描写はもっと単純でいいんだよ、みゅーじかるなんだから、って感じがしたかなあ。