1.《ネタバレ》 川島雄三の作品を傑作とそれ以外の二つに分けるとすれば、本作は間違いなく傑作の部類に入ると思われる。
まず『とんかつ大将』というタイトルからして秀逸。
そして主演の佐野周二。
彼は元々好きな俳優だが、本作では特にいい味を出していた。
そして菊江役の角梨枝子。
私なら彼女を間違いなく選ぶであろう、色っぽさ。
木暮実千代にも似た色気を漂わせる女優だ。
ただし、本作にも難点はアリ。
まず、話が色んなところに拡散し過ぎ。
その為、全てを丸く収めてしまうラストは、かなり都合良すぎの感が否めなかった。
でも、本作全体の出来としては相当なレベルなので、まあいいのではないだろうか。
そう思えてしまうほど、味の出たいい作品だった。