5.《ネタバレ》 素晴らしい!
青春映画の傑作!!
青春時代の恋は、人生で最も純粋でいて輝かしい思い出である。
その恋は、不器用で経験も少ないから、その分、辛いことも起きる。
相手に気持ちをどう伝えればいいのか?
その勇気と決断は?
伝えた後の付き合い方は?
勉強やスポーツ、本作においては特に国境と文化の壁。
様々な障壁が立ちはだかる中で、必至に相手のことを想う。
それはとても切なく辛いものではあるが、同時に、人生でもう二度と経験できない甘い記憶が胸に刻み込まれる。
好きな異性とのちょっとした会話、手紙のやりとり、相手の体温、そういった青春時代にしか体験することのできない貴重な瞬間が、この作品には見事なまでに焼き付けられている。
現在がセピア色、青春時代がカラー。
この色の使い分けも効果的。
最も輝いていた時代が青春時代であることを映像的にうまく表現している。
思わず観ていて涙してしまった。
映画ではめったに涙が出ないのだが、これには見事に落涙させられた。
心の奥底に眠った青春時代の甘くて切ない思い出を、この見事な青春映画によって、掘り起こされたからに相違ない。
500本に1本くらいしか涙を流す機会が無いので、久しぶりに心を洗われた思いがする。
それと、主演の水谷妃里が何とも言えず魅力的。
どこか物憂げな瞳と端正な顔立ちが印象的で、主演としてこの作品を彩るに相応しい女優さんだった。
日韓友好、女性同士の友情、家族の絆、その他さまざまなテーマもよく描かれており、後世に名を残すであろう、青春映画の紛れもない傑作である。