1.《ネタバレ》 ロメールのコスプレ劇はコスプレ劇なのに歴史大作でも文芸作品でもなく、いかにもロメールな、優しい語り口の小品といった感じの映画でした。この「小品」が侮れない。お?!と思わせるオープニングから物語に引き込み、なんてことのないお話の中にどこにでもある些細な喜びや悲しみを観る者にしっかり提示し、けして退屈させず、そうこうしながら物語を堪能させる。怒り心頭の父親が大泣きするところは笑った。いつもきりりとしたお父さんが「むああああ」って、お父さん泣きすぎ(笑)。でもちょっとジーンとしたりもして。号泣するお父さんの横で小芝居を続けてるお母さんがまた笑っちゃう。でもこれもやっぱりジーンときた。ああ、ジーンとしながら笑っちゃう、幸福感が充満したようなこの感じがたまらん。エンディングも好き。