19.ポケットに両手を突っ込んで猫背気味でどこか怯えたような上目遣い。うじうじした奴と見られる紙一重のところで、無邪気な笑顔が救っている。50年代の看板のような俳優になったが、同時代を演じたのは『理由なき反抗』だけで、本作も第一次世界大戦が背景になっている。どうしたって50年代の若者として見ちゃう。こういう「ビクビクしたように見える」スターはアメリカ映画史上後にも先にもあんまりいないんじゃないか。だいたい「強い男」の伝統の国で、精神的な弱さをアピールすることで女性の母性本能をくすぐり人気を得た新手の役者だった。彼が長生きし続けたらどんな役柄をアメリカ中年・老年像にもたらしたか興味が湧くが、その展望がない国だから早死にしたのか。第一次世界大戦からもう「デモクラシーを守る闘いだ」という理屈はあったんだな。 【なんのかんの】さん [地上波(吹替)] 8点(2014-03-15 10:04:01) |
18.ジェームズ・ディーンが美しく、ちょっと触れたらガラスのように壊れてしまうのではないかと思うくらい繊細です。10代の多感な頃に一度見たきりで、十分に理解していないところもあったと思いますが、激しく魂を揺さぶられました。以降、再び見るのをためらっているのは、初見の印象を失いたくないからかもしれません。もう十分に年を重ねたので、今見ると父親の気持ちで見ることになるような気がします。主題曲は映画音楽の中でも名曲中の名曲と思います。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-09-25 01:39:33) |
17.《ネタバレ》 これはキャルに感情移入できるかできないかで評価が割れる作品でしょうね。彼の不器用なまでの父への執着が物悲しい。父親からのモラルハラスメントに耐え、認めて欲しいと嘆き悲しむ姿はいつ観ても胸が締め付けられる。 【movie海馬】さん [地上波(字幕)] 8点(2012-08-16 19:37:48) |
16.《ネタバレ》 十何年ぶりに拝見!前に観た時はつまらない映画だとしか思えなかったが、自分がある程度の歳を重ね、今回観て思った。これは大人になりきれないでいる大人、見た目は大人でも心は子供のままでいて、なかなか大人になれない人間が成長する物語だと感じることができる。優秀で気が優しくていつも父親に愛されている兄を持つことで常に心の中に言いたくても言えない。伝えたくても伝えられないモヤモヤ感を残したまま、何かに対し怯え、人に対して不信感を覚えることしか出来ない弟であるキャロル演じるジミーこと、ジェームス・ディーンの演技、演技というよりもまるでジェームス・ディーンそのものが乗り移っているようで見ていて辛い。兄とは反対に父親の愛も母親の愛さえも知らないまま大きくなってしまった男の悲しさ、辛さ、ラストでようやく父親と分かり合うことが出来たあの場面は涙なくして見れない。この映画を見て思ったことはジェームス・ディーンは日本で言う所の石原裕次郎が昔、若かった頃によく演じていた見た目は大人でもなかなか大人にはなりきれないでいる少年のような雰囲気を思わせる俳優であると、こういう役が何ともよく似合う。僅か24という若さで交通事故により亡くなってしまったジェームス・ディーンが見せる何とも寂しげな表情はいつまでも忘れることは出来ないと思います。最後にこの映画のあの音楽も感情移入させるには見事な効果を発揮していると思うのと、この映画のあの美しい畑の映像と斜めから捉えた映像は私が現役の日本の監督で一番好きな大林宣彦監督の作品を思わせる。もしかして?大林宣彦監督は自分の映画製作において、この映画の影響をかなり受けているのではないだろうか? 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-07 10:07:12) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 「兄ちゃんは善で、おいらは悪だ・・・」と、とんでもない! キャルよ。君のお父さんに対する愛は本物ではないか! この世の真理の一端を見事なまでに群像化したまぎれもない傑作。いや~、ジェームズ・ディーンの生き生きとした演技には目を見張るものがありますなぁ~。配役が本当に見事ですな。エイブラが女学生にしてはちょっとおばちゃんくさいなと思ったんだけど、よくよく考えてみれば大人っぽさがなければならない役柄なんですよね。全体的にはクセのない画作りなんだけど、ところどころ野心的なショットを入れてるのにも印象的です。 【あろえりーな】さん [地上波(字幕)] 8点(2007-10-21 00:31:51) |
14.《ネタバレ》 善悪とは何か、愛とは何かを考えさせられた作品。アロンとキャルは双子の兄弟なのに、なぜかアロンは善、キャルは悪と見なされていってしまう。キリスト教の陰の部分が暗喩的に表現されているような気がしてなりません。また、映画の最後の方で、アブラが、「人に何かをしてあげるだけでなく、人に何かを求めることが愛を表現することになる」といったようなことを言いますが、その趣旨は私の胸に強く残りました。人を愛するってことは、その人を同じ立場として認めることなのでしょうね。 【まいった】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-30 23:12:36) |
13.《ネタバレ》 混乱の時代、善と悪の区別もつかない。ベタな話だとは思うが、キャストと演出の良さがこの作品を名作にしていると思うし、今観ても胸に響くものがある。ただ、キャルが悪人でないにせよ、ラストにアロンが救われるシーンは欲しかったな。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-19 23:13:37) |
12.巷の評価と同じくジェームズ・ディーン三部作は、このレビューでもやっぱり本作→「ジャイアンツ」→「理由なき反抗」の順になっちゃうんですね。自分はエリザベス・テイラーとディミトリ・ティオムキンのテーマ曲の大ファンという事もあって「ジャイアンツ」を特別ヒイキにしてるんですが・・・。んでこの映画、内容云々よりテーマ曲のが印象的です。昔、NHKで一年に一度やってた「映画音楽大全集」で「風と共に去りぬ~タラのテーマ」と毎回トップ争いをしていたのを思い出します。今あの番組が製作されたら、「タイタニック」あたりが断然トップに来るのかな?カザン監督のシネマスコープを意識しての緻密に計算された鋭角的なカメラワークは、ブラウン管で観た場合効果は殆ど上がっていないような気がします。やはりこれは、大画面で見てこそより深い感銘を残す映画のひとつ。「サリナス」っていう地名や「キャル」「アブラ」といった登場人物の名前の語呂がやけに良く、レタス畑の風景とともに郷愁をそそるんですよ。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-08-25 15:30:00) |
11.「愛されないと言うのは悲しいこと、心までひねくれてしまう」という言葉にじんときました。何も恋愛に限らず、親子愛や友情だって同じですよね。 【トナカイ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-02-09 23:18:58) |
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10.2006年の”映画はじめ”はこの作品。 ずっと観たいと思いつつ、縁がなかったものですから。 ジェームズ・ディーンさんの陰のある演技、セクシーな魅力にはさすが!とウルウル。 観覧車のシーンのやりとりには思わず釣り込まれ、私もキャルびいきになってしまいました。 アブラの微妙な心の揺れもよく分かりましたし、ケイトの存在の大きさもにも感心。 この作品を観て、スターウォーズのアナキン役にジェームズ・ディーンさんのような俳優を・・との監督の意図も頷けました。 ダークサイドであっても実に魅力的で、おまけに万能。 スタントさん顔負けのアクションも見応えありました。 気分良く新年をスタートさせてもらえた作品。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-04 21:05:54) |
9.《ネタバレ》 これはジェームズ・ディーンの存在感につきる映画です。丸めた背中、すねた上目遣いの目、複雑で繊細な甘えたような感じ。好き嫌いは分かれると思いますが、彼には1度観たら忘れられない独自の空気があります。他のキャストも地味にいい感じですが、肝心の双子の兄役のリチャード・ダヴァロスがいまひとつ。完全にジェームズ・ディーンに食われていたのが残念です。 レイモンド・マッセイ演じる父親は確かに正しい人ですが、人の弱さや世渡りの上手さも悪として直そうとする偏狭的な考えの持ち主で、兄のアロンも以下同文。彼が弟を見る目は、こいつずるい、嫌い。と軽蔑しているのが丸見えで、弟をちまちまいじめる機会を逃しません。アブラは恋人のアロンに父親の指輪を川に捨てた話をしたかったと思います。でも、どうしても出来ない。こういうところにアブラの心変わりの原因があるんですが、彼は気付きもせず、全部弟のせいにしてしまいます。それに対する弟の仕返しが凄いです。兄はそれまでの勢いはどこへやら、借りてきた猫みたいに大人しく連れて行かれ、母親と対峙し、180度反転してしまいます。優等生のコケ方は大きいですね。最後のガラスを割ったシーンは秀逸です。父も兄も致命傷を負いました。最初、観た時はアロンが無事に帰ってくれればいいなと思いましたが、2度目に観た時、割れたガラスから首を出したまま行ってしまうシーンが、まるで断頭台の処刑に見えてしまい、ああ、彼はもう帰ってこないんじゃないかと思いました。結果として、弟は兄を追放して死に追いやり、父も追いつめたことになります。母親もおそらく、致命傷を負ったんじゃないでしょうか。確かにキャルは父を看取った後はこの町を出て、何らかの形で償うべきなのでしょう。そしてアブラも自分が原因の一端だと罪悪感を持って生きるのだと思います。ただ彼女は、この刺し違えた家族の、最後の崩壊を防ぐクッション役になり、少しだけ救われた感じです。でも、最後に場を収めたのが、あのしようもない看護婦だったということが1番面白かったです。 【くなくな】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-09 01:01:16) (良:2票) |
8.ジミー可愛すぎ…!!大好きになってしまったvv反抗しながらも親の愛を求める青年…感情移入するしかないじゃん!でも途中、アロンがムカついてムカついて、んでキャルが可哀想で可哀想で、怒りと悲しみでマジ泣きしちゃいました。あの兄は本当に許せない!ああいう善人が一番タチが悪い!「愛なんていらない。役に立たない愛だ」そんな事言わないでジミー!!私はいつだってジミーの味方だからね!!(号泣) 【Ronny】さん 8点(2004-02-05 01:47:11) |
7.文句なしカッコイイよ。セーターに寒そうにくるまるシーン、真似しちゃうよ。やっぱ歴代1位の青春スターだよ。音楽も、とても良い。 【代打、八木!!】さん 8点(2004-01-07 20:35:56) |
6.ベンチでキャルとアブラがしゃべってる笑顔が印象的なシーン。あの彼の自然な笑顔はエデンでしか見られない。 【スルフィスタ】さん 8点(2003-12-29 19:51:42) |
5.《ネタバレ》 愛されなかった子供という普遍的なテーマを扱って今なお多くの亜流を生み出し続けているエリア・カザン監督の問題作。旧約聖書を題材にしたとされているが、カインとアベルの物語では弟アベルを殺した罪でエデンの東に追われるのは兄のカインの方である。ジェームス・ディーンの卑屈な個性が、愛されない弟キャルに見事に投影され、屈折した青春が観客の共感を呼ぶ運びは良いが、あまりにも取ってつけたようなラストの急展開には今もって納得がいかない。原作となったスタインベックの同名小説を読んでいないので何とも言えないが、本来映画は原作と切り離して一つの作品として自立すべきであるという観点から考えれば、いくらなんでも安直かつ偽善的な結末ではないかという思いが否定できない。まあこういう映画が喜ばれる時代ではあったんだろうけど。こういう話なら無理やりカインとアベルにこじつける必要もなく、ただ魂の救済をテーマにした美しい親子モノという態度を徹底した方が美しかったんじゃないだろうか。まあ嫌いな作品ではないし、「リバー・ランズ・スルー・イット」が良い良いと騒ぐぐらいなら、こちらの方をお勧めしたい気持ちは充分あるのだが。とりあえずジェームス・ディーンの姿が拝める数少ない作品ではある。が、彼が生き延びて傑作をあと50本も撮っていれば、時代と共に薄れてしまった可能性は否定できない。非常に微妙な8点献上。 【anemone】さん 8点(2003-12-08 23:55:14) |
4.ジェームス・ディーンもいいけど、実は私は相手役の女優がよかったと思う。とりわけ美人というわけでもないけど、控えめな演技だし。父母そして兄弟の濃さを中和するようでほっとできる。畑のキスのシーンに高校生だった私はうっとり。 【yukaori】さん 8点(2003-12-08 02:52:24) |
3.難しいです。私は一人っ子なのでこんな経験はなく、悩みもわかりませんでした。ただラスト、お兄ちゃんが可哀想かなとは思いましたけど。 【もちもちば】さん 8点(2003-09-14 12:15:06) |
2.大好きな映画です。思春期の頃に観て、思いっきりキャルに自分を重ねて涙していました(?) 何年かたって再度観直すと、ラストのおにいさんもちょっとかわいそうかなーって、思ってしまった・・・ 【そうしょくみ】さん 8点(2003-08-03 01:33:17) |
1.キリスト圏の人間がみたらどーなんだろ。かなりもっと深くみれんだろうなあ。でも父子の関係(特にラスト)だとかはストレートに感動しました。ジェームズ・ディーンいい。 【なんとこ】さん 8点(2002-02-24 03:11:52) |