1.スターリンの死亡により独裁政権が消えたとはいえ、米ソ冷戦のまっただ中にあって、よくぞこういう映画が作れたと驚かざるをえない。当時のソ連は秘密主義、都合の悪いことは一切発表せず、権威を保てることだけが公表されていた。いわばまったく自由のない時代であったように思うからだ。
DVDの中に主役を務めたパターロフのインタビューと、サモイロワの回想が特典として入っていたが、実に興味深い。パターロフによれば、いかに監督や撮影陣が革新的であったかがわかる。サモイロワの方はまったくのおばさんになっていて・・・。
前置きが長くなったが、映画では愛する男女の表現描写がすばらしい。またラストの復員列車を迎えるシーンもすごく印象的、カンヌ映画祭のグランプリにふさわしい。