2.真っ暗な世界になって初めて見えてきた星空。ビルの明りで隠れていたそれをサンタが見せてくれた。二人の間に出来ていた隙間に、気付かないふりをしていた二人。そんな二人に訪れた停電は、二人だけの隙間を見つめる時間を与えてくれた。眩しい都会の明りの中に埋もれていた人気のまるでない路地。そこにはジャズバーと蝋燭ショップが身を隠すように店を出していたが、蝋燭の温もりに引き寄せられた人たちがそこに集まってきた。元々目を凝らしたって目には見えなかった物や心が、大停電によって見えてきた。人の温もりや優しさや愛情や信頼。全て目には見えないけど、とても大切なもの。この映画はそんな目には見えないものの素晴らしさをエヴァンスの心地好いジャズの音色と共に優しく教えてくれる作品。