24.《ネタバレ》 ※原作ネタバレあり、2017年版のネタバレあり注意 原作既読。2017年版視聴後。 2017年版と比較すると、こちらの方が原作に忠実であり、原作を映像化した作品として、純粋に面白いと感じる。 冒頭のデブナムと大佐の会話をポアロが偶然聞いた場所とか、伯爵夫人に「H」について尋ねる場面は客室の中とか、本当に細かいところは原作と異なるが、これは映画の尺の都合でそうした、という理由で十分納得でき、重要な点について重要な改変は行われていないため、問題ないと感じる。 大筋、重要点、及び大部分の細部において原作どおりなこちらの作品の方が原作を読んだ者としては好感が持てる。 第一の推理(外部犯説)と第二の推理(全員が犯人説)についてどちらを採るかについては、原作では列車の重役と医師の2人の判断に任せられる。 ポアロは警察でもなければ検事でもないため、真実を探求したにすぎず、自らその後どうすべきかの結論を下すことはせず、2人に任せる。 この点、2017年版ではポアロ自身が「第一の推理を採る」的なことを言ってしまっているのはマイナス点。 一方で本作では原作にほぼ近いが、私個人としては、それまで合理的かつ理性的で、躍起になって乗客犯人説を推していた医師が、事情を知って最後に「まあ私の検死結果もたまには間違えることもあるかもね」的なことを言って第一の推理を採る、という最後の描写が非常に好みであるため、その描写が無かった点だけはちょっとだけ残念。 「実際に殺人が犯されており、犯人も特定できてはいるが、その犯人が裁かれない」という見え方もする、というのは事実であるが、原作者アガサ・クリスティーはコナン・ドイルのホームズシリーズが大好きだったらしく、ホームズ作品でもそのような結論で幕を閉じるエピソードが少なからずあるため、本作もそういうところが取り入れられているのかな、と思ったり。 また、本エピソードは実際に起こった事件を元にしているらしく、現実世界では誰の目から見ても残酷で犯人を許せない事件という世間的感情になっている中、事件に関係する12人が陪審員12人に成り代わり裁きを下す、というifの世界を描いた物語である、という点も、(これは個人の好みになるであろうが)私にとっては好みである、と感じられる作品である。 【53羽の孔雀】さん [DVD(吹替)] 8点(2024-08-24 22:12:59) |
23.初めて観ました。オチも知らずに観たので最後はびっくりですね。ポワロは相当怪しい気配の男ですが、段々まあ探偵に見えてくるから不思議です。まー、2時間ドラマみたいでしたが面白かったですよ。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-07-29 18:58:42) |
22.《ネタバレ》 初見、原作未読。 雪山に立ち往生する列車内での密室殺人事件。豪奢な一等客車の乗客が目も眩む絢爛豪華な大スター達で漂う重厚さを堪能出来ました。彼等彼女等を過不足なく交通整理した監督の手腕はお見事。ポアロが事情聴取をする度に友人が「犯人だ」と決めつけるのに、「この人にかかったら全員が犯人になってしまう」と友人をオトボケキャラ認定したのですが、あの結末には「お見それ致しました」 犯人は都合よく乗り合わせたのではないので、乗車前のオルソンの慄きは後になって理解できます。彼女の始終怯えた様子に一番の人間臭さを感じました。 ポアロが私怨を私刑で果たした犯人を見逃したのは刑事ではなく探偵なのでどうにか納得できますが、乾杯はやり過ぎの感がします。それと謎解きの決め手が不明瞭なのが残念でした。 |
21.《ネタバレ》 豪華絢爛たるスターたちの中にあってひときわ輝いているのはイングリット・バーグマンかな。尋問シーンのワンカットが影響したのかアカデミー賞助演女優賞受賞です。一番張り切っていたのはポワロ役のアルバート・フィニーですかね。やたら怒鳴っていたけど、原作ではどこか空気を読めない奇行が目立つ探偵だから、これはこれでいいのか。目立たないけど狂言回し役っぽいのが、寝台列車会社重役のビアンキ役のマーチン・バルサム。各乗客の尋問が終わるたびに、いちいち「こいつが犯人だ」とポアロに進言する。おいおい、単純すぎないかよ、すぐに分かったら苦労しない。まるで金田一物の何とか警部みたいだ、などと思いつつ最後の謎解きシーンへ。うーん、ビアンキ君、君が正しかった。 【パセリセージ】さん [地上波(字幕)] 8点(2016-01-13 22:09:46) |
20.話もわからない幼い頃から洋画好きの父にいろいろと見せてもらっていたので、この作品を初めて観た時(小学生の頃)は知っている俳優ばかり出ていて興奮しましたね。超豪華キャスト。幼少期の初見時にビックリしたエンディングの印象が強く、何度観ても楽しい印象です。ただしポワロは汚らしいイメージが払拭できず、、、。 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-01-15 00:13:26) |
19.列車オリエント号で起こった殺人事件に、名探偵ポワロが挑むミステリー。 原作自体の出来がいいのか、ストーリーが非常に面白い。登場人物がかなり多い作品だが、 列車の中という閉塞的な場所でお話が展開するので、場面があちこち飛ばず判り易かった。 (疲れていて集中力が散漫な時などは、お話に置いていかれる人もいるかも) もちろん細かいキャラ描写の不足や、事件が起きてから解決に至るまでが一直線過ぎる、 という弊害もあるにはあるのだが、これは限られた時間内ではもう仕方がないのかな、と。 ミステリーものとしてはあまり類を見ない、変わったラストが印象的でポイントが高い。 豪華列車での旅の雰囲気も味わえ、出演しているショーン・コネリー、E.バーグマン、 ジャクリーン・ビセットなどの大物俳優が、こちらの目を存分に楽しませてくれる。 お薦めのミステリー映画。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-24 20:37:18) |
18.子供の頃にテレビで観た記憶が残っていて、なんとなくストーリーは知っていましたが、それでもバツグンに面白かったです。原作の素晴らしさはもちろん、それを見事に映画らしく仕立ててくれましたね。 【ramo】さん [レーザーディスク(字幕)] 8点(2011-07-08 23:09:23) |
17.《ネタバレ》 これだけとてつもない原作なんだから、あとはしかるべき俳優を配置して、急行の内部をしっかり再現して、それをきっちりと撮れば、存分に楽しめる作品が出来上がるわけです。しかし、単なる原作頼みではなく、多岐にわたる登場人物を上手く整理して、全員を必然性のある存在にしています。犯行再現シーンの迫力はいうまでもありませんが、それ以外でも、冒頭で1人1人列車に乗っていくシーンなんかでも、タネを知ってみていると緊張します。ただし、最後はやっぱり原作通りの主犯のスピーチが見たかったなあ。●後で考えると、この作品は、「お客さんに楽しんでもらうこと」を徹底するために、巧妙に原作をいじっているのです。冒頭に誘拐事件をずばり提示して(しかも台詞もナレーションもなし!)後の展開を分かりやすくし、閂がどうのとか細かいトリックは潔く削除。殺害場面は、原作ではものの数行なんだけど、台詞を追加してしっかり時間をとる。最後はキーパーソン2人が立ち上がって、もろにカーテンコール。そうそう、乗車・尋問・犯行・ネタ割り・ラストで順番をいろいろ操作しているのも、オールスターキャストの強みを生かした周到な緻密さが窺えます。というわけで1点プラス。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-01-24 00:08:15) |
16.原作については、誰でも(?)読んでる有名な推理小説だし、作品の背景となっている実際の誘拐事件についても、どこにでも書いているので、改めてここに書く必要もないでしょうけど。原作小説における、この誘拐事件の位置づけは、事件に対する憤りなのか、単にトリックにケチをつけられないためのエクスキューズなのか、それはともかく、作品にいくぶんサワヤカな印象を与えているのは事実だと思いますが・・・いやあ、こうして映像化してみると、サワヤカどころか、変態的・猟奇的ですね(笑)。それにしても、「雪で立ち往生した列車内」という限られた舞台に、有名俳優をぎっしり押し込んで(外は寒そうだけど中は暑苦しい?)、ゴージャスな映画になってます。カメラも腕の見せ所、尋問のために次々に現れるスターどもをバッサバッサと料理する。当然、「そのうちの一人は、尋問すべてをワンショットで撮ってやろう」なんぞという発想にもなる訳ですが、一体どの俳優がその餌食となるのか。うーむ、イングリッド・バーグマンと来ましたか。そして、その一人ひとりの尋問の後、恒例の、“容疑者集めて犯人指摘”となる訳ですが、これがまた、スターそろい踏み、映像にするとなかなかに見栄えがするものでして、結構盛り上がるのでした。あとこの映画、リチャード・ロドニー・ベネットの音楽が良くって、変に構えたようなメインテーマのワルツとは対照的に、緊張感のある音楽で映画をビシッとシメています。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-08-10 06:44:24) (良:1票) |
15.アガサ・クリスティ原作の「名作」というこの映画に対する評は随分と前から認知していて、10年以上前にレンタル落ちのビデオテープも購入していたのだけれど、なかなか食指が動かず、観る機会がなく、ビデオもどこかにいってしまっていた。 食指が動かなかった最大の理由は、“ストーリーのオチ”を知ってしまったからに他ならない。 原作も映画もあまりに有名な作品なので、どこかしらからミステリーの顛末が耳に入ってしまったのだ。 オチを知ってしまったミステリーほど魅力減のものはないわけで。 満を持して鑑賞に至ったわけだが、なるほど面白い。 何たってアガサ・クリスティのミステリーなので、そのストーリー展開はもはやミステリーの「定番」といったもので目新しさはない。 しかし、描き出される映画世界にはもちろん時代は感じるが、往年の娯楽映画によくある“古臭さ”は全くなかった。 それは名匠シドニー・ルメットの卓越した映画創りによるものだろうと思う。 前述の通り顛末は知ってしまっていたので、ミステリーに対する“驚き”は少なかったが、それでも思わず唸りたくなるような「真相解明」は、流石に上質だった。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-08-08 10:53:47) |
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14.原作を読んでるからオチは知ってたけど、やっぱり面白かった!雪が泡でしたね(笑 【ネフェルタリ】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-05-30 11:41:57) |
13.《ネタバレ》 クリスティの小説をオールスター・キャストで映画化する場合、これほど適したものはないでしょう。理由は、原作を読むか映画を見ればわかるので省略。ということで、トリックがどうとか犯人がこうとか言うより、名優たちの競演を楽しむべし。私のお気に入りは車掌のジャン=ピエール・カッセルと、いかにもイギリス人執事のジョン・ギールグッド。あと、アンソニー・パーキンスがマザコン気味の役なのが笑える。ミステリーの要素では、複雑な事件経過をうまく映像化していると思いますが、それでもやや駆け足気味になったことが残念。もう少し時間を長くしてもよかったのにね。 [2015年1月27日追記] 近頃NHKで放送されて、劇場にもかかっていたので両方見ました。字幕翻訳が異なっていて、興味深かったです。 この作品、いろいろな国籍の人が列車に乗り合わせていたわけですが、これがミス・ディレクションにも解決の手がかりにもなっていることに気がつきました。そういう意味では、日本語吹き替えで見たら、この映画の魅力半減(以下?)でしょう。字幕にしても、今回劇場で見たように、英語以外のセリフをカッコでくくってわかりやすくしてくれたほうがありがたいです。それによって、この作の真価が発揮されるように思います。そう考えると、日本人にとっては原作の翻訳を読むより、本作を字幕つき(なくてもいいがとにかく原語)で見るのがもっともいいのかもしれません。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-26 20:51:21) (良:1票) |
12.はるか昔、私を映画好きにした作品のひとつ。最近、再見したが、思ったよりも色あせてはいなかった。アルバート・フィニー演じるエルキュール・ポワロはイメージ通りだし、オリエント急行の豪華な雰囲気は、本当に素晴らしい。アガサ・クリスティの世界が、よく表現されているといえるのではないか。 【AJ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-17 14:28:34) |
11.《ネタバレ》 ミステリーとしても傑作なんでしょうけど、ヒューマンドラマとしても優秀な作品です。登場人物が多いせいで一人あたりに割ける時間は短いにもかかわらず、登場人物(犯人)に完全に感情移入してしまいました。最後の謎解きのシーンで、一人づつがナイフを振り下ろすシーンでは、不覚にも涙がボロボロでおちてきてしまった。映像もとっても凝っていて美しいです。最高のシーンは、ポアロのガラス越しにローレン・バコールが血の付いたナイフを持ち上げてみせるシーン。ドキッとしました。 【ひよりん】さん [映画館(吹替)] 8点(2007-11-18 16:36:06) |
10.《ネタバレ》 久しぶりに見たけどやはり面白く見ることが出来た。この映画のキーワードは12!そうです。監督があの大傑作「十二人の怒れる男」のシドニー・ルメット監督!奇しくも同じ12という数字がこの映画の大きな鍵を握っているわけです。列車に乗り込んだ12人の乗客にある悲しき過去、一人一人にそれぞれ忘れたくても忘れることの出来ない苦しい過去がある。この映画で殺される被害者と切っても切れない繋がり、それは本来なら被害者であるはずの男が本当は加害者であるという過去を持つということ。そういう視点から見るとただのミステリーではない重苦しさ、複雑な人間関係、その全てを監督は上手く描いている。殺されて当然の男、全くもって同情出来ない被害者、主演の探偵役の俳優の愛嬌溢れる演技、人柄、本来なら殺人犯に対しては罪を背負わせるものの、この場合だと12人の犯人よりも殺された男の方が許せない悪人であるということをきちんと理解し、気持ち良く終わらせてくれる。これを見て私は太っている男に悪い奴はいないと!同じ列車内での殺人を題材としたあの誰もが知っている問題作、マイク水野こと水野晴郎氏の「シベ超」シリーズの山下陸軍大将演じる水野晴郎を思い出す。そして、そんな水野晴郎も悪い人間ではないということ。何だかかなり話がそれてしまったけど、要するに太ってる人間には悪い奴はいない。そう確信しました。水野晴郎はこの映画、絶対に好きだろうなあ!だって、この映画の影響を大きく受けていると見ていて思ったもん!まあ、とにかく私にとっては面白いミステリーであるということです。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-23 20:16:02) |
9.原作未読で、公開時映画館で鑑賞しました。非常にわかりやすく、ストーリーをしっかりと追える作りになっており、面白かったです。シドニー・ルメットは自分の作風を抑えて、エンターテインメントに徹したのではないかと推測します。豪華キャストを無駄なく使い切っているのも見事です。素晴らしい出来上がりの極上ミステリー。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-28 15:12:06) |
8.A・フィニーの過剰な演技を除けば、かなり面白い作品でした。ラストも真相を暴いておきながら、処分は温情のある結末!嫌な気分が残らない映画でした。アガサ・クリスティー原作の完成度の高さが伺えます。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-08 14:57:54) |
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6.先に原作を読んでいたのですが、私は原作と映画は別ものと思う方なので省略されてる部分があっても気にならないです。とにかくキャストが豪華ですよね。初見の時は高校生だったので俳優の名前はショーン・コネリーにジャクリーン・ビセットくらいしかわからなかったのですが、再見したときに、こーんなすごい俳優が出てたんだあと感激しました。雪に閉じ込められ密室となった列車が舞台というのも雰囲気あっていいですね。今でもあれがイングリット・バーグマンだとは信じられない。 【envy】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2003-11-29 00:19:30) |
5.小学生の時にテレビで見て「全員で殺しておいて、知らんぷりするなんて!」(ネタバレ)と完全犯罪に目覚めました。このトリックを支えるためにこの豪華キャストありといった感じ。最後に全員が一人一人ローレン・バコールと乾杯するシーンは何度見ても涙涙!成功してよかったね。一番何度もみている映画かもしれません。 【まみこ】さん 8点(2002-12-28 00:06:08) |