2.《ネタバレ》 シリーズものって、あとにいくほどつまらなくなるというのが普通だと思うのですが、私が見た限りでは、このシリーズはあとの作品が面白い。本作も、お家騒動に巻き込まれて対立勢力に挟まれるというのは以前にもありましたが、「兄が父を殺そうとしている」という話とからめて、新鮮さを出しています。ライバルの田村高廣・伊藤雄之助ともに、持ち味を出しています。特に伊藤雄之助のとぼけた味わいはいいアクセントでした。狂四郎がこの2人を斬らないというのも異色の展開ですが、そこに持っていく筋道をキチンとたてているので、不満は感じません。
タイトルは、女の刺客が次々と襲ってくるからですね……。しかしよく考えると、高田美和の小夜姫も怖い。自分に都合の悪い2人を対立させ、最終的には狂四郎たち浪人に倒させているわけですから。そして自分の藩の侍が大勢斬り殺されたというのに、ほほえんで狂四郎に礼を言う。いや~、よく考えたら「悪い奴ほどよく眠る」ってヤツですか? そう考えると小夜姫が大悪人に思えてしまうというあたりも、傑作と考えるゆえんです。