1.《ネタバレ》 「ブラック・レイン」と「キル・ビル」を足して3で割ってさらに劣化させたような作品である。ストーリーに精彩がない上、編集がグダグダで、中盤のダレッぷりは目も当てられない。日本語と英語と中国語が無秩序に飛び交い、日本人女優には恐らくネイティブのアフレコが被さり、しかもズレズレ。国に応じてアフレコで対応するつもりだったとは思うが、英語で話して日本語で普通に返してくるのはどういうわけか。登場人物の背景や行動も意味不明で、普通の頭では理解不能。そもそもわざわざ都知事を暗殺する必要があるのか?新米のFBIはアホなのか?と、偽造設計のマンションのごとく崩壊寸前の作品である(これまずいかな?)。しかしそんな中、セガールが一言怪しい日本語を発すれば大爆笑すること間違いなし。結婚まで誓った自分の女を殺され、殴りこみの決意を豊原に話すという悲壮なシーンで「~やねん」とか言われても、感動するのはほぼ不可能。日本刀振り回しても、全くいつもの調子でチャキチャキチャキーンという感じで、しかも無意味に残酷なのはさすがである。アクションが少な目なのが残念だが、不明確な編集のせいか、いつもの平凡なヒーロー主義とナルシシズムは影を潜め、ジャパンテイストと日本人俳優の怪演により、作品全体に漂う濃密なカオス感は最高にトリッピーである。というかもうわっけわからない。ジャパンテイストにそれほど違和感がないのは凄い。しかも歌が意外と上手い。役者に徹すればいいものを、なにせプロデューサーだからもう誰も止められない。ファン以外は観ない方がいいだろう。プログラムがまた爆笑である。