28.《ネタバレ》 “JFK”ケネディ元大統領と呼んでいた当時、少なくとも日本国内で、このイニシャルで誰を意味するのかを根付かせたタイトルでした。暗殺の映像は、テレビの『カメラが捉えた決定的瞬間』とかで何度か観ていました。確か初の衛星生中継で、日本でも暗殺事件が放送されたって言うから、ザプルーダー・フィルムがお茶の間でババーンと流れたものだと思ってましたよ、私は。 ネットの普及する前の時代、自ら劇場に足を運んで観に行く映画は、小さな子供も観る規制だらけのテレビより、より突っ込んだ真実に触れられる貴重な媒体でもありました。映画に先駆け『ケネディ大統領は政府に暗殺された…らしい』なんて陰謀論は聞いていたと思いますが、具体的に何がどう行われたのか?は、この映画で知りました。 3時間にも及ぶ映画は、暗殺が行われた当時から再現していきます。まず型通りの捜査をして、その3年後から暗殺事件としてドラマが動き出します。そして最後の約1時間を使った、クレイ・ショー裁判の迫力たるや、圧巻の一言です。公開当時はこの裁判シーンの模型の精密さに驚いていました。記録映像と綿密な証言から再現されたであろうジオラマ模型は、どこにどんな人物がいたのか、服の色から立ち位置まで、ここまで再現するのかという、捜査に対する執念に似たものを感じさせました。 そして“魔法の銃弾”のデタラメさ。実行がほぼ不可能なオズワルドのその日の足取り。テレビで観た暗殺の瞬間を、何度も何度も繰り返し流すことで、映画を観ている私も一緒に検証する感覚。数秒のフィルムの裏で1963年11月22日12時30分に何が起きたのか。それを3時間掛けて考えるというのは、とても貴重な体験でした。 先日、『13デイズ』を観てCGの再現度と可能性に驚いたばかりですが、改めてCG導入前の本作を観ると'60年代の“再現”も凄かったです。当時の車を配置するのは解りやすい記号ですが、服装、髪型、建造物と何処にもスキがありません。オズワルドの犯行再現で、教科書倉庫ビルからライフルを構えるギャリソン。ディーリー・プラザの俯瞰図の'60年代っぽさは、どれだけお金掛かってるんだろう?と心配になるほどです。この俯瞰図がしっかり再現されているから、裁判でのジオラマ模型の再現度がより引き立ってるんでしょうね。 【K&K】さん [映画館(字幕)] 8点(2024-06-16 15:47:33) |
27.《ネタバレ》 日本における「本能寺の変」、「坂本龍馬暗殺」、このあたりがシンプルな事件を黒幕の存在だのお無理やりミステリーに仕立てている感があるのに対し、ケネディ大統領暗殺事件は、本物の陰謀が隠されているとしか思えず、ぞくぞくしますね。3時間の映画を観通しても明確な答えが出るわけではない、そう分かっていても緊張感がありました。2038年、本当に真相が明かされるんでしょうか?事件の当事者が誰も存命していないとしても、一国のトップを政府機関が殺害したなんてドエライことですからね。何とか2038年まで生きていたいものです。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-09-04 17:11:09) |
26.長すぎることが、映画としての魅力を下げてしまっているけど ガンジー、遠い夜明け、同様にとても考えさせられるいい映画。 2039年まであと23年。 |
25.『誰か』が疑問を呈さなければ、ケネディ暗殺は共産主義者オズワルドの単独犯行だと、歴史に迷い無く刻まれたのかと思うとなんか空恐ろしい。登場人物である地方検事長をはじめ、“真実”を追究するために声をあげ、巨大な権力相手にひるまず闘った人たちのその姿勢に敬意を表する。もちろん、O・ストーンにも。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-09-26 01:06:43) |
24.《ネタバレ》 今でも多くのアメリカ人の心に、暗い影を残すケネディ大統領暗殺という歴史的な大事件。そんな重たいテーマを真っ向から扱っただけでなく、その内容もかなり攻撃的なもの。こんな政治的にも商業的にも危険な映画を逃げることなく真正面から作りあげたオリヴァー・ストーンの腹の据わり方には舌を巻く。でも、そんな政治色を抜きにしてもこの3時間もある大作には、彼の才気と情熱が隅々にまで迸っており、映画としての完成度も格段に高い。そして、ケヴィン・コスナーをはじめとする、トミー・リー・ジョーンズやゲイリー・オールドマン、ジョー・ペシ、ケヴィン・ベーコンといった今では考えられないような豪華な俳優陣の熱演も見応え充分。あまりにも充分すぎて(濃すぎて?)、観終わった後はしばらくぐったりしてしまうけどね(笑)。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-27 23:38:53) |
23.《ネタバレ》 自分は俗に言う「陰謀史観」というやつは鼻から相手にしないのですが、ケネディ暗殺だけはどう考えてもウォーレン委員会の公式発表はおかしいと思っています。オリヴァー・ストーンは「ケネディ暗殺が自分の青春を狂わせた」と信じているお方ですから、そりゃ私の様な半可通でもなっとくさせてくれる構成力というか力技で暗殺の陰謀を再現してくれました。でもその「虚実織り交ぜて」というのが曲者で、どこまでが事実でどこからがフィクションなのか判りにくいある意味「危ないプロパガンダ映画」としての側面も持っているのも事実です。ストーリーは後半クレイ・ショーという男の裁判が焦点になるんですが、こんな小物が有罪になってもどうケネディ暗殺の陰謀を暴くことになったのかが非常に判りにくい。もっともこの裁判シークエンスでのケヴィン・コスナーの論告は映画史に残る様な屈指の迫力で、最後の方なんかコスナーの声が喋り過ぎでかすれてくるぐらいですから。ストーンはこのシークエンスが撮りたいがために三時間もの長さの映画を製作した様なもんですけど、正直ぐいぐい引き込まれちゃって長さはあまり気になりませんでした。ラスト、ギャリソン親子三人が肩を並べて裁判所を出てゆくところをロングで捉えたショットは、『アンタッチャブル』を思い出させてくれました。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-24 00:23:15) |
22.「…ということを決して声高にではなく描いた秀作」ってのは多いが、声高に言わねばならないと思っていることを声高に叫んだ映画、ってのもあってほしい。これがそうだった。作者に言いたいことが過剰なまでに溢れているってことは、こんなにも気持ちのいいことだったのか。3時間、がなり立て続けるストーンは魅力的だ。証言が現われるごとに何度も繰り返される暗殺シーン、一本の作品としての流れなり盛り上がりなりを計算していく気持ちはまるでなく、手に入った絵の具からどんどんキャンバスに塗り重ねていく。その積み重ね自体を映画の魅力にしてしまっている。「あれはおかしい、これもおかしい」と、スクリーンに証拠を陳列していき、説得というより「これだけ疑問点があっても委員会の言うことを信じられるのか」と大声で脅されている気分。そのパッパと陳列していく手際でこちらも釣り込まれてしまう。この監督、役者の演技というものにも全く興味を見せてなく、ただセリフをしゃべるマシンか何かと思っているのだろう。ドナルド・サザーランドのような癖のある名優も、ただしゃべりまくらされる。監督が興味を見せるのは、証言の散文的な内容だけだ。一個の事件の周囲に、人がしゃべることによっていろいろなものが付着したり剥がれたりしていくその変容に面白味を感じているのであって、役者が本当は一番見せたい表情や仕種やらの微妙さは無視されてしまう。そういう微妙な味わいこそ映画の楽しみである、という“上品”な映画鑑賞法も一緒に無視されてしまう。「私はこれこれこういうことが面白い、こういうことにのみ興味を感じている」という自分の守備範囲をはっきりさせ、その中で好き勝手をやり、そのこと以外には媚を微塵も示さない。ストーンの映画に感じるのはその小気味よさである。自分のやってることに確信を持っているものの明朗さがある。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-06-19 12:07:19) (良:2票) |
21.《ネタバレ》 アメリカでは真相を追究することに非常に勇気がいるテーマだと思いますが、オリバー・ストーン監督の「絶対妥協しない」という強い意思と心意気が感じられる。気合の入った真相追究ものを見たという感じです。勿論今も真相は明らかになっていないし、真相は暗殺実行者や、その黒幕にしか分からない訳ですが。時間が長い映画は苦手ですが、ケネディ暗殺には以前から興味があったので長さを感じることなく最後まで興味深く見ることができました。事件から何年も経っていない当時に真相を究明しようとしたジム・ギャリソンに敬意を表したい。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-11-22 01:17:50) |
20.ケビン・コスナーが出演してる作品でこれが一番好き。結構有名所が出てるんだなぁ。 【ジダン】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-26 19:05:39) |
19.「正義とは何か?真実とは何か?」を問いかけてくる作品でした。もし、一人の検事が生命を賭けて「権力によって作られた真実」の欺瞞を突き詰め、暴いていくことがなければ、ケネディ暗殺事件の真相が闇に葬り去られていたかと思うととても恐ろしさを感じました。(まあ、この作品で語られている事が真実であるかはまだ判りませんが。) 利権のために戦争が行われ、一般市民が戦地に送られていく現実は本当に何とかならないものかと思ってしまいますね。国を守る為に戦うのではなく、軍需産業とその利権に群がる人たちのために なぜ戦わなければならないのかも判らぬまま、敵と呼ばれる人間に銃を向けなくてはならないなんて 非常にやるせないですね。(ただ軍需産業に従事して生活している人も多くいるわけですから全てを否定はできませんが。) しかし、3時間半近くの間ずっとドキュメンタリータッチでシリアスな場面が続くのでちょっと疲れました・・・・・。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-29 16:05:51) |
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18.いやぁ、面白かった。 長いという意見が多いみたいだけど、これくらいみっちり見せてくれた方がいい。 正直、前半は登場人物が多くて名前と顔が一致しなかったり、推理の展開が早くて頭の回転が追いつかなかったり、字幕を追っかけながら整理してる間に映像を見逃したり、着いていくのに苦労しましたけど(笑)、いいんです、「国家権力が胡散臭い」ということさえ分かっていれば、最後の法廷シーンはちゃんと楽しめます。 それにしても説得力ありましたねぇ。 サスペンスとしても十分楽しめますが、もしかしてこれが真実じゃないかと本気で思えるのが凄い。 そして、何よりも体制を糾弾する姿勢が素晴らしい。 しかし、アメリカって国はホント分からんなぁ。。。 こういう映画を公開できる許容量を持っていると素直に評価すべきなのか、この映画があまりに的を射ていてぐうの音も出なかったのか。。。いや、もしかしてこの映画自体が別の意味である種のプロパガンダなのかもしれない。 「メディアによって人心を操作する」みたいなこと、やりそうだしねぇ。 アメリカって「どういう題材をどれだけの刺激でどれくらいの人数にどれくらいの頻度で流布すれば、どんなふうに人心が影響を受けて、どのように国民意識が変化するか」なんてこと、きっちりデータを持ってそうなんだもんなぁ。 事件の真実も、この映画自体の意図も、ほんとはもっと全然別のものかもしれませんぞ? いかん、こういうこと考え始めると堂々巡りになってしまう。。。 もしかして、こういうことを考えさせる罠!? (笑) 【とっすぃ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-25 04:03:05) |
17.こういう映画って、時期によって違う感慨をもたらしますね。 今思えば、観たときよりさらに「国家ってほんとにうさんくさいなあ」ということが、胸に迫ります。 ケネディが亡くなったという報道をリアルタイムでTVで目撃した世代としては、そうそうよそごとに感じられなかったから、これは私よりさらに上の世代こそ観ておいたほうがよい作品かも。 それにしても、こういう作品を作れる国だというプライドが、免罪符にすりかわっちゃまずいだろう、と思うけれど、アメリカ人はそういうこと、どう思ってるのかしらねえ・・。 【おばちゃん】さん 8点(2004-06-26 23:02:00) |
16.歴史に残る大事件を豪華なキャストで作り上げたこの作品! 真実をあばき、信念を貫いたジム・ギャリソンはスゴイ! 最後の裁判は見入ってしまった。2028年が来た時、 この映画で語った事が事実である事を 願っています。 【ボビー】さん 8点(2004-03-22 23:53:35) |
15.公開当時オリバーストーンが言っていた“なにをそんなに大騒ぎしているんだ。これはただの映画だ”。そんな簡単に割り切れる内容ではないと思うのだが、こういう映画を撮りきったことはすごいことだと思う。真犯人はいまだ不明だが、とりあえず単独犯説は違うなぁと思ってしまっているあたり、既にこの映画にしてやられているのか?とっても濃密な映画でこの作品以降2時間そこそこの映画では物足りなさを感じるようになってしまった。 【ふじも】さん 8点(2004-01-30 12:51:20) |
【虎尾】さん 8点(2003-12-13 00:17:43) |
13.こういうタイプは好きな映画。ケネディの話は有名なので、内容はわかっていたのでこの点数。 【ボバン】さん 8点(2003-12-03 01:32:31) |
12.オリバーストーンは、嫌いなんだけど、これは好きなほうです。3時間は、この内容にはどうしても必要な時間だと思います。クライマックスのケビンコスナーの演説が長いと言う意見があるようですが、僕は見てて思いましたよ。「ああそうか、キャプラがやりたいんだな」と。「スミス都へ行く」というキャプラ監督の傑作がありますが、素人議員のジェイムススチュワートが、汚職を告発しようとして、逆に悪者にされてしまう。疑惑を晴らすため、そして真実を追求するために議会で24時間の大演説をする、ケビンコスナーの演説は、この場面へのオマージュがあったのではと思いました。 それにしても2039年に公表される真実って・・・・・。 【ひろみつ】さん 8点(2003-10-21 11:19:02) |
11.これって、ドキュメンタリーとして作るならわかるけど、俳優に演じさせて描くようなモノなのかなあ、と思いつつ観たら、長尺ながらスリリングな展開で、クライマックスは随分興奮しました。で、観終わって思うのはやっぱり同じで、これって俳優が演じて描くべきものかどうか・・・。映画はあくまで作り物であって、それがまた映画の面白いところ。もし本作の目的が真実を暴く事だとしても、どこかに虚構の臭いを伴う事は避けられません(約束事としての一種の安心感ですな。例えば、実物の死体と、死体役の俳優は、やっぱり別物です)。あるいは最初から真相をボヤかすのが狙いなの?面白い映画なだけに、複雑な心境ではあります。 【鱗歌】さん 8点(2003-08-12 19:37:47) |
10.面白い映画です。ただ、ケヴィン・コスナーじゃなくてもあの役はできたね。 【ある】さん 8点(2003-07-14 09:13:03) |
9.高校生のとき上演前に「途中、絶対に話し掛けないで」と友だちに言い渡し、気合いを入れて観た映画。誰も彼もが怪しすぎです(ちなみにこれでゲイリー=オールドマンを知った)。法廷シーンは「アフューグッドメン」の方が好きですが、粗い映像を織り交ぜたドキュメントタッチの演出が、謎だらけの史実を際立たせていたと思います。まさにオリバー=ストーン監督渾身の作品と言えますが、長じてから観賞したところ、彼の独善性がかなり気にかかってしまったのでこの点数で。 【はるふ】さん [DVD(字幕)] 8点(2003-06-15 11:59:37) |