4.《ネタバレ》 外見の美しさって何なのか。内面の大切さを語りつつも整形だっていいじゃないかとも同時に語る、たったそれだけのことなのに何でこんなに物語は美しいのだろうか。
キム・アジュンは演技も、素の外見も文句なし。
外見故に苦しみ、友人すら気づかせないほどの全身整形に挑む。鼻だけ整形し直すシーンがあるが、パンフに稿を寄せた高須クリニックの院長は「鼻は整形前後で変わってない」と見抜いているが、特殊メイクの具合から言えばそれは当然とかいう所がちょっとおかしかったり、整形前に「イ・ヨンエみたいに」とか注文していたのだがどこがイ・ヨンエに似ているのか全然分からないとか、つっこみどころは満載なのだが、その後の物語の見事なこと。
彼女に整形を決意させたチュ・ジンモ の言葉「利用しておけ」というのは、ソ・ユンを慰めるために言った言葉なわけで、どこまでが本音なのかは不明なのだが、パンフなんかは「本音」と断言している。しかしながら、リアリティはある。
さぁ、整形してからが映画の本番。整形美人故に驚き、だまされ、そのコミカルな様の実にキュートなこと。そして、過去を捨てる。過去におびえながら、美しくなった外見を利用して頑張ろうとする様のこのけなげなこと。そして、最後に、過去と向き合い、今を受け入れる。
…たったそれだけの物語なのだけれども、ストーリーテリングがしっかりしている。さすがキム・ヨンファ。今後も期待しているよ。
…それにしても、声が商売なんだろチュ・ジンモ 、声で気づけよ。