6.《ネタバレ》 ジェームズ・ボンドものとは違い、実話をもとにしたスパイ映画はホントに暗いお話しが多いですね。“名が知られたスパイは、失敗したスパイだ(もちろん例外もあるけどね)”という名言もあるくらいですけど、クリス・クーパーが演じるロバート・ハンセンは私が今まで観たスパイ映画のキャラでもっとも闇落ちした人物です。決して善人役が回ってきそうもないご面相なのに、まるで爬虫類が人間に化けたような顔つきでしかも熱心なカトリック信者、そしてド変態ですからねえ。でもこれこそ彼にしか演じられない当たり役だったんじゃないでしょうか。ラスト、エレベーターのドアが開いたらいきなりライアン・フィリップとクーパーが鉢合わせする場面、「私のために祈ってくれ」と呻いて暗転する幕の閉じ方は鳥肌ものでした。ライアン・フィリップが演じるFBI職員のキャラは実在人物なのか架空のキャラなのかは判りませんが、知らないうちにスパイ容疑者の監視役を命じられ真相を知って苦悩が深まる過程はリアルでした。でも左遷されて“窓のない部屋”に押し込められて新しい助手があてがわれてきたら、「こいつは俺の監視役だ」と普通は迷わず確信すると思いますけどね。まあフィリップのモデルがいたとしてもかなり脚色されているはず、でも彼が置かれるシチュエーソンがハラハラ・ドキドキを盛り上げてくれるので良い脚本かと思います。ハンセンがスパイに走ったのは、共産主義イデオロギーへの共鳴ではなく自分の能力が評価されないことへのルサンチマンが主たる動機だったみたいです。でもこの映画ではそれに付け加えるように彼のカトリック信仰が強調されていますが、信仰自体はスパイ行為とは関係ないと思います。熱心なカトリック信者が無神論の共産主義国に協力しますかね?人間の内面はそう簡単に割り切れるものじゃないのも確かですが、プロテスタントが主流のアメリカですから、ハリウッドはカトリックをなんか眼の敵にしているような気がしてならないんですけど。そうは言っても、上司がいきなり夫婦で自宅に押しかけてきて宗教勧誘してきたら、そりゃ堪りませんけどね(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-09-27 23:18:35) |
5.《ネタバレ》 クリス・クーパー、ローラ・リニー、そしてライアン・フィリップ 的確な配役が素晴らしいですね。浮ついたところは一切ない良い映画だと思います。クリス・クーパー扮するロバート・ハンセンは、なかなか悪い奴ですなー、まさにスパイな映画でゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-23 07:30:45) |
4.政治がらみのスパイ物という私にとっては、極めて苦手分野ですが役者の顔ぶれに惹かれて鑑賞。ファイルコピーの盗みや車のがさ入れにはハラハラドキドキの連続でした。食わず嫌いて見損なわず済んで良かったです!! 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-20 16:03:22) |
3.観応えあり、でした..ラストあたりが、あっさりしていたので、少し残念..もう一山あるのかな..と、期待して観ていたら..そのままクライマックス..エンディングへ..実話だから、極端な脚色は出来なかったのだろうけど... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-02-11 15:15:37) |
2.原題Breach: 違反、違法行為。心理戦でわくわくしたが、陰湿で暗い。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-07-08 08:49:37) |
1.《ネタバレ》 二兎を追わず、サスペンスを捨て人間ドラマに的を絞り大成功。 |