9.《ネタバレ》 若かりしブラピの美しさも見物だが、内容も本当に素晴らしい。
彼は『限りある生活での命』ではなく、『限りない生活での短い命』を選ぶ。
しかし彼にとっての「限りない生活」とは私たちの「当たり前の生活」で、
彼にとっての「幸せ」が私たちにとっての「愉しみ」であることが、何とも皮肉だ。
神様、あなたはどうして稀に不公平なのですか?
彼ほど純粋で、素直で、優しい人間に、どうしてあのような試練を与えるのですか?
当たり前過ぎる日常に疑問も持たず、むしろ「もっとこうだったら…」などと
より多くを求め、日々の生活や周囲の人々への感謝の気持ちも少なかった自分が、
なんて自分勝手でお気楽なのだ…と情けなくなり、
でもなんて幸せだったんだろう…と実感してしまった。
「今日は良いお天気だね。お散歩でもしようか?」
こんな些細な言葉でも、きっとリックにとっては大きな意味を持つ。
この映画を見てから、私はお散歩が大好きになった。
こんな言葉を当たり前のように口にし、風の心地良さを感じながら、
陽だまりの中をてくてくと歩くことに、とても幸せを感じる。
そしてちょっとキザかもしれないけど、キラキラした太陽の眩しさを見ると、
この映画のこともよく思い出すんですよ。