1.《ネタバレ》 どうやっても「ラブ・アクチュアリー」との比較は避けられないところなのですが、後発のハンデを感じさせないほどの内容に仕上がっています。次から次へといろんなペアが登場しますが、手際よくまとめられていて、さしたる混乱も生じることなく、いつしか1つの大きなバレンタイン・ワールドを完成しています。個別のエピソードはそんなに深いものではないのですが、何よりも、各登場人物が素朴で素直で前向きなのがよろしい。こういうのは単純明快が最良なのです。●それぞれのストーリーが浅すぎるとか、ありがちとかいう向きはもちろんあると思うが、最小限度の描写の中にも、人物の背景や人間関係の成り立ちをいろいろと想像させるほどの力がある。決してフルコースのディナーではないけど、「冷蔵庫の残りものを上手に味付けして、美味しいお弁当を作っていただきました」という気に私はなりました。