1.《ネタバレ》 邦題がちょっと分かりにくく、作品内容と結びつかないけど、まぁ本当に良く出来ています。ヒッチコック映画のような不安感を煽るタイトルバックからして秀逸。「時計じかけのオレンジ」を彷彿とさせる乱入者の暴れまくり感、パワフルです。ご婦人が典型的なマザコンで、観る側も同情したくもあり、なんか完全な善人にも見えないような妙な危うさもいい。一番怖いのはやっぱり人間、しかも捕まる事をも恐れない暴漢に蹂躙され続ける胃の痛くなるようなこの展開、最高のサスペンスです。やっとのことで家から脱出を試みたご婦人が、結局抱えられ何度も家の中に連れ戻される時のあの観客側のガッカリぶりといったらない。暴漢グループのリーダーを演じたジェームズ・カーンの熱演も見もの。彼がエレベーターの中でご婦人に息子の手紙を読んでる時のなんとも言えない表情の変化が印象に残りました。DVD未発売のこうした作品を観る機会は何よりの幸せ。トラウマ映画館、そして町山智浩さんに心から感謝の意味もこめて8点献上。題材が被る類似事件のせいで長い間、なかなか陽の目を観る事の出来なかった作品ですが、私の生まれる前にこんなパワフルな作品があったのかと感動すらしました。