1.《ネタバレ》 苦い青春映画だ。
いや、違う 苦い中年映画だ。
苦い故にまた見直したいとは思えない。だが沁みる。すごく沁みる。親目線としての痛々しさは当然の事ながら、子が親を知り尽くしているという痛々しさが単に苦さで終わるんではなく、 なんだこの親子だったらこの先一難あろうが二難あろうが大丈夫なんじゃないかと思わせてくれる安心感を与えてくれ気持ちよく見終えれた。
脚本・監督 石井裕也監督 この時、28歳。
なんで彼は親父にもなってないのに こんな親父目線の脚本が完璧に書けるんだ? すごいと思います。だからこそ今がある。出演者こそ地味でまだこの時、満島ひかりを使ってない 仲里依紗を使ってない 妻夫木聡を使ってない だけど地味ながら中身で勝負だ すごく濃ゆいリアル風味の家族ドラマになってます。
宮田が真田の前で弱音を吐くシーンも忘れられない。励ましてくれる友も必要なんだが、弱音を吐いても嫌な顔一つせず黙って聞き入れてくれる親友のありがたさというのもここで再確認出来ます。二人の関係、ずっと続いてゆくもんだと思います。ただ宮田、も少し真田に対して優しく接してあげてほしいかな 彼には帽子を買って返してあげて欲しいな 真田のほうだって子は無くともダンディ気取る権利は大いにあんだから。