3.《ネタバレ》 韓国の聴覚障害者学校で実際に起きた事件が基になった作品。
事件発覚後も加害者は処罰を受けず、教壇に立ち続けていたというのが恐ろしい。
この映画が上映されて加害者への批判が高まり、「トガニ法」と呼ばれる法改正まで行なわれるほどの影響があった。
実話ではない部分も加えられてベタであざとい展開が少し気になるが、子役の演技がとにかくすばらしい。
加害者がこれ以上ないほど卑劣に描かれていることもあって、加害者への憎悪が掻きたてられる。
結局、弱者の味方になるべき検事も加害者に抱きこまれて、証拠を握りつぶされるあたりはフラストレーションも絶頂に。
揃いも揃って吐き気を催すほどのクズばかりで、極めて悲惨な内容だが、ラストでわずかな光が感じられるのが救い。
「私たちの闘いは世の中を変えるためではなく、世の中に変えられないためにある」
子供達を支え続けるユジンの手紙が、無力感に打ちひしがれていた主人公の癒しとなっている。