2.《ネタバレ》 ピーター・ウィアーが久々ながらもその健在ぶりを示した渾身の一作。
1940年のソビエト。スパイ容疑でシベリアに送られた男が仲間達と共に収容所を脱出し、自由を求めて決死の逃避行に出る。
寒さと空腹に耐えながらのバイカル湖を目指す前半から、ソ連の国境を越えても水も食料も無い不毛の大地が果てしなく続く。
その過酷な自然の描写に、1人また1人と脱落者が出て仲間達がやつれていく表情も、サバイバルの描写は凄まじいの一言です。
過酷な旅路の果てについに目的の地インドまでたどり着く。
ここで作品も主人公の男の過酷な旅もようやく終わりかと思いきや、
第2次大戦が終わっても東欧には過酷な歴史があったことが改めて思い知らされます。
それは時系列に沿って字幕で淡々と19××年、○○が起こる、と示されるのみ。
しかしこの過酷な旅を生き延びた彼が、その後の過酷な歴史の中、人生の旅路もきっと生き抜いたに違いない。
それが示されるラストシーンが感動的。そこにはもう台詞は要らない。