15.《ネタバレ》 言ってしまえば、ストーリーはありがちなメロドラマのように思う。しかし、この映画の何という美しさ、そこに尽きる。赤ではなく、紅い色彩を基調とした映像に、雨がこんなにもよく似合うとは。 そして主演二人の、どこから撮っても「絵」になること。特に、張曼玉 (マギー・チャン) の真紅のチャイナドレス姿は、お人形さんかい? って本気で思うほど。トニー・レオンは、やはりウォン・カーウァイと相性がいいようだ。 その二人を一層華やかに際立たせた衣装、当時の香港を完璧に再現した街並み、画面の細部まで拘りが行き届いた美術、、本作は衣装や照明といった美術スタッフ、そして撮影の素晴らしい仕事にも拍手を送るべきだろう。 「花様年華」とは、花のようなきれいな時期、人生で最も美しい瞬間と言われる。本作で言うなら、香港における1960年代という「時代」のことだろう。 1960年代、香港、そこに確かに存在した一人の女、、それは記憶の中で永遠に美しい花として咲き誇るのだ。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-05-06 20:41:51) |
14.《ネタバレ》 ウォンカーウェイの頂点。全編、スタイリッシュな映像。トニーレオンの倦怠感のある演技。ストーリーは、? 【にけ】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-01 15:59:47) |
13.2046はみようと思わなかったが、絵も音楽も幻想的で、大人の恋愛と感じた。 追記 久しぶりに再見。時代とともに自分の感じ方が変わってきた。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-11-22 10:57:13) |
12.あらゆる画面がほぼ完璧に近く、男と女の機微も非常によく捕えられていて、バカみたいに肌を露出させたりしなくとも男と女に驚くほど色気があり艶っぽいです。何気ない日常が断片的に切り取られているようでありながらも、現実と小説の世界が見事に交錯し幻想的にもなっています。もはや言わずもがなですが、トニー・レオンもマギー・チャンもとことんセクシーで惚れ惚れしてしまいます。・・・ただ気になってしまうのは、これは少々計算が立ち過ぎていて〝これ見よがし〟な印象も受けることです。 《追記》再見したのですが、やはり芸術を意識したような感じが鼻に付くところがあります。例えば、ラストのカンボジアの風景のカットをいくつか挿入し過剰なBGMをかけているところなどは、やり過ぎているように思えます。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-06 18:21:58) (良:1票) |
11.メロドラマとしての格調の高さは大したものだ。狭さを意識した画面、その息をひそめている感じがいい。新聞社の無表情な大時計、赤いカーテンの揺れる廊下、と舞台もふさわしい。下の屋台へポットを持っての往復で、ちらちらと意識しあう男女。そのかすかな空気の揺れのようなものがメロドラマの味わい。ここぞというときに入ってくる憂鬱なワルツ、あるいはキサス・キサス・キサス。連れ合いが不倫をしている二人は、意地でも関係を結ばない。それが全編に緊張をはらませている。時代や社会やあるいは女の生き方についての思索など、余計なものを排除して純粋な織物を織りあげたって感じ。だからこそラストのカンボジアが引っかかる。あの時代の新聞社を舞台にしながらベトナム戦争に触れずに綴ってきて、ラストで竹の文化圏から石の文化圏のカンボジアに跳ぶあの画面の質感の急変、分からないからこそ、すごく引っかかる。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-08-12 10:52:15) (良:1票) |
10.まず観ている最中に気を抜くと意味が分からなくなってしまうので注意が必要です。 この監督さんは、簡単なストーリーをこねくり回して意味もなく難しいものに作り変えてしまう天才だと思います。 【花守湖】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-11-14 18:03:00) |
9.加齢からくる色気といったものを、キャストの一人一人から感じた。重苦しくも華やかな、甘い空気はある年齢を越えた女性と男性の恋からしか生まれないだろう。しかもそれを、一コマ一コマに十分に時間を与え、個々の感情の動きを丹念に追っていったからこそ、表現できる世界である。そして、その時間をこちらの感覚器官を麻痺させるような映像美で見続けさせたクリストファードイルの力には、映画の奥深ささえ感じる。 【fero】さん 8点(2004-01-17 20:43:36) |
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8.公開時、OLのミニシアターブームの火付け役って感じで、 かなり話題になりましたね。それに加えて、不倫の恋というキャッチが気に食わず(笑)寝かしていた映画です・・・。 監督がウォン・カーウァイだと見終わってから気付き驚きました。で。やっぱり好きになれる時に見れてよかったな。と。 基本的に片想いの映画が好きです。 恋愛に限らず、胸がギュッって掴まれるような苦しくなる映画。 なので、不倫という言葉で片付けてしまうのには反対。 色彩感覚とちょっとノスタルジックな音楽も気に入りました。 ただし、自分の心境によってのめり込み度が変わる映画だと思います。私は好きな映画です。 |
7.心に残りすぎるラブストーリーでした。主人公達にちっとも共感できないし、そばにいたら殴り倒してると思うような二人だけど、心に痛かったです。それはまた映像の所為でもあります。見事に効果的な映像で、部分部分が素晴らしいとかではなく、ストーリー的に素晴らしい映像でした。マギーチャンの着ていたチャイナドレスは、多分この映画用に作られたオリジナルだと思いますが、チャイナドレスとしてとても斬新な柄を使用していて彼女を際立たせてて素晴らしかったです。小物や映像、仕草や台詞の一つ一つ、どれもがすべてにおいて効果的に働いてると云う気がします。完成度が高い。高すぎるくらい。ただストーリーだけおっていけば退屈かもしれません。みんなが私のようにこの映画を見てくれればいいのにな、それで色々この映画について話し合いたいなって思うけど、それは無理難題なので人に薦めた事はありません。 |
6.テーマが明確で、男女の関係をひたすら淡々と描いているのが良い。また、夢二のテーマ曲はまさにこの映画のために作られたのではないかと思うほどしっくり合っていた。 【李将龍】さん 8点(2003-06-20 15:26:46) |
5.好きな人はすごく好きだけど、ダメな人はダメ・・・と、受け入れ方にとても差の出る映画だと思います。私としてはこういう雰囲気の映画は嫌いじゃないし、マギー・チャン大好きなのでよかったけど。ほんとチャイナドレス姿が素敵でした。トニー・レオンが小さな穴になにかをつぶやいて封じ込めた場面は切なかったです。 【きょうか】さん 8点(2003-05-27 17:25:06) |
4.男女の恋愛の行動を人に伝え、見せるのは簡単なことだろう。しかしその心の密度を伝え、現わすのは至難のわざ。この作品にはその空気の密度がこぼれ落ちんばかりで、惹きこまれる。 【るーす】さん 8点(2003-05-14 18:42:19) |
3.独特のけだるさが、たまらなく良かった。あの内容で見せるのは、並大抵の才能ではできないことです。映像は勿論、二人の心情を、淡々と丁寧に追っているのに惹きこまれました。 【おもち】さん 8点(2003-02-05 11:14:16) |
2.↓言いたい事は全部書かれてしまいました(苦笑)。とにかく、映像が…! 衣装が…! カーウァイ特有のけだるさの中の2人の空気が…! 本当に感性が良いですね、監督は。 【ルカ】さん 8点(2001-09-09 00:40:59) |
1.キワドいセリフもなければ、濃厚なベッドシーンもない。「不倫」という言葉すら一般的には浸透していなかった時代の、これはオトナの男と女の恋愛模様を、ウォン・カーウァイ監督の独特の映像センスで描ききった秀作。二人がいつから恋愛感情を持ち、どの程度の関係を結び、どうして別れたのか・・といった細やかな説明を省略している点で、ストーリーなどまったく重視されていないことは明白だ。あるのはマギー・チャンのチャイナ・ドレスの着こなし(とりわけ真赤なドレスで階段を駆ける姿を捉えたショットが素晴らしい!)と、彼女の匂い立つような成熟した大人の女の色香を見事に映像化した点だろう。 【ドラえもん】さん 8点(2001-05-13 16:51:28) (良:1票) |