1.《ネタバレ》 大好きなキャプテンハーロックなだけに、あまりにも評価が悪かったのでがっかりしたくないので観るのを拒んでましたが、これはちゃんと劇場で観たかったというのが本音。このリメイク的な映画で過去にかなりがっかりさせられた。最近「スペースバトルシップ・ヤマト」や「ガッチャマン」等、何か映像やキャスティングにもの言わせてミーちゃんハーちゃんから興行収益を得ているような映画があまりにも多いように思う。なのでこのキャプテンハーロックもその一つか・・・と少し残念という観もしないで先入主観が働いていた。観た後本当に後悔したくなかったので、この敬愛する「キャプテンハーロック」もその中の一つに入れたく無かったが評価ほど悪くないというか私は好きだ。ちゃんと松本零士氏が描きたかった世界観があると思う。正義が故に反旗を翻し海賊と化していったハーロック。腐敗した社会に対し誰しもが抱く思いではないか・・・そして最後に「先に進んでも何にもねぇし、何にも変わりゃしねぇ」という言葉があったがこれが一番言いたかったことなのではと感じた。そして「なのにあの男は何故、何故先に進もうとしているのか」この言葉にハーロックの見方をそれぞれの主観性に任せている。この答えを出さない松本零士氏の広がりを感じる。学校や社会、会社、組織、この時空の縛りを受ける物質の世界は矛盾とも思えるカルマによって成り立っているもどかしさを意図的になのか偶発的になのか描かれているのを感じた。世界には平和を訴えるアーティストや自然環境問題に取り組む政治家など「良くしよう」と思って活動しているが全く変わらない・・・現代では「原発問題」それと「遺伝子組み換え食品」これは現代のパンドラの箱ではないかと思う。良くないと思ってもちっとも変わらないこの人類が抱えている性。本当に変わらない・・・その変わらないものに、変わらないと解っていても進んでいくハーロック。そしてハーロックは言う「幻と解っていても縋らずには居られない時がある、人なら誰でも」何かを批判するのではなく自らが身命を賭してやる抜く信念に乾杯!! また次作を是非、是非作成して欲しい!!