3.《ネタバレ》 序盤が結構かったるいんですが、中盤、ハリソンフォードが出てきたあたりから俄然面白くなります。
アデラインを知っている人は当然いるわけです。自分の正体を知る人物に思いもかけない形で再会するというちょっとハラハラな展開。ハリソンフォードの『アデライン』の一言は衝撃的な名シーンです。
アデラインの誤魔化しかたもたくみで、咄嗟に『母です。』と言ったあとは娘を演じ切る。さすが100年も真実を隠し通してきただけあって機転が利きます。とはいえ、どうせどっかでばれちゃうのはこーゆー映画の性質上明白なわけです。必ず爆発する爆弾。いつ爆発するのかは誰にもわからない。そんな緊張感。
また、ラブストーリーとしてもなかなかよくできています。切ない気持ちと幸せな気持ちを同時に感じられる作品です。
ベンチに座る若き日のウィリアムが手に持っているのは婚約指輪。それに気づいたアデライン。そのままタクシーで通り過ぎ、涙を流すアデライン。このシーンは今作屈指の名シーン。ここではあえてウィリアムの姿を映さなかったので、大変印象に残るシーンとなっています。ここのインパクトが強いので、ウィリアムに真実を告げるときのシーンが感動的になるのだと思います。
それにしても私自身はやはり年相応に自分の年齢に近い人に心惹かれるので、体が歳を取らなければ思考や価値観も歳を取らなくなるものかとちょっと不思議。
唯一の難点を挙げるなら、序盤がちょっと冗長すぎるところでしょうか。
白髪を見つけることがこんなにも感動できるものなのかと、なんだか大切なことを教えてくれる映画です。