透明人間(2020)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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透明人間(2020)

[トウメイニンゲン]
The Invisible Man
2020年上映時間:122分
平均点:5.89 / 10(Review 27人) (点数分布表示)
公開開始日(2020-07-10)
アクションホラーサスペンスリメイク小説の映画化
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タイトル情報更新(2021-11-03)【イニシャルK】さん
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監督リー・ワネル
キャストエリザベス・モス(女優)セシリア・キャス
マイケル・ドーマン(男優)トム・グリフィン
原作H・G・ウェルズ小説「透明人間」
ジョージ・パル映画「透明人間」(1933年)
脚本リー・ワネル
製作ジェイソン・ブラム〔製作〕
配給東宝東和
字幕翻訳林完治
あらすじ
ある夜、セシリアは家を抜け出した。夫エイドリアンの支配に耐えかねての逃避だ。束縛からは一時的に逃れられたものの、トラウマから抜け出せないでいた彼女の元に、ある日『夫自殺』の一報が届く。にわかには信じられない話。あの男が自殺するなんて。それでも莫大な遺産を相続し、悪夢の日々と決別したかにみえた矢先、彼女の身の回りで不思議な出来事が起こる。それは、死んだはずの夫の存在を匂わせる“サイン”であった。
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1.深夜、自室で今作を鑑賞後リビングに入ると、薄暗いいつもの室内が何だかとても恐ろしく感じた。
ぽっかりと空いた何もない空間に“何かがいる”かもしれないという感覚。それはまさしく、この恐怖映画が描き出した「恐怖心」そのものだ。
全編通して、主人公のみならず、観客にもそういう“怯え”を生み出したこの映画のアプローチは、“透明人間”という怪奇映画の伝統を引き継ぎつつ、圧倒的にフレッシュだった。

この新機軸の透明人間映画が、これまでの透明人間映画と異なる最たる点、それは「視点」だろう。
伝統的な透明人間映画が、透明人間となってしまった人物自身の恐れや悲哀、または透明人間としてのモンスター性を描き出してきたことに対して、今作は透明人間に襲われ、「凝視」し続けられる女性を主人公に配し、徹底的に彼女の「視点」でストーリーが展開される。

「何かに見られている」という不安やおぞましさをシンプルかつ洗練された映像表現で徹底的に描きつけ、“何もない空間”に恐怖を生み出した映画的手法が見事だったと思う。
主人公の背後に浮かび上がる“吐息”や、バスルームの“手形”など、ヒタヒタという物音すら全く立てずに主人公に歩み寄る恐怖演出も巧みだった。
主人公の女性の愛称が“シー(see)”であることも、シチュエーションスリラー「ソウ」を生み出した作り手らしいこの映画のテーマ性に対する隠喩であろう。


ただし、この映画が描き出す「恐怖」の真髄は、そういう映像的に表現されている要素のみには留まらない。

夫から支配的なハラスメントを受け続けていた主人公は、その夫婦生活から逃げ出した後も彼の精神的支配から脱却することができずに、苦しみ続ける。
夫の死を知らされても、一人それを信じることができず、見られ続けていることに恐怖し、究極的に追い詰められる。
結果的に方法としての“透明人間”は存在し、夫は死を偽装してまでも妻である主人公を支配し続けようとする……。

が、果たして本当にそうだったのだろうか?
“透明人間”による凶行は現実だったけれど、それが本当に夫による策略であったかどうかは最終的に明確にならない。
凶行はすべて夫の兄によるものだったかもしれないし、夫にまつわる恐怖心のすべては心を病んだ主人公の誇大妄想だったかもしれないという可能性が、最後の最後まで拭い去れない。

そういったまた別の「視点」を生む演出も見事だし、主人公を演じたエリザベス・モスの演技と、狂気性を孕んだ表情も素晴らしかったと思う。


人間同士の関係性、もっと言い切ってしまえば「夫婦」という関係性から生じた綻びが導き出してしまった憎しみと怖れ。
この恐怖映画が最終的に紡ぎ出したものは、その普遍的な人間関係が内包する“危うさ”だったのではないか。

そういうふうに、この映画の結末を捉えると、同じく“恐怖夫婦映画”の傑作である「ゴーン・ガール」的なゾクゾクとしたおぞましさに包まれ、思わずこう呟きたくなった。
「こ、怖えぇ」と。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-02-21 00:07:08)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 27人
平均点数 5.89点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4725.93%
527.41%
6622.22%
71140.74%
813.70%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review1人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 5.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 1.00点 Review1人
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