1.《ネタバレ》 殺人事件でしか結ばれない刑事と被疑者が愛の迷路に溺れ、破綻していく。
過激な性描写と暴力描写を封印したパク・チャヌク監督の優雅な語り口とトリッキーな映像手法で、
純情なパク・ヘイルと何を考えているか分からないタン・ウェイの恋の駆け引きを盛り上げる。
殺人事件がきっかけとは言え、彼女が彼に惹かれたのは本心であり、
妻がおり離婚されると分かっていても彼女がいなければ生きている気がしない刑事が彼女の"共犯者"になっていく。
でも、事件を解決させないといけない。
「愛してる」と言ったら、終わり。
ラストでタイトルの『別れる決心』が重く響いている。
全てを失った刑事は彼女を求め、これからも"霧の中"をさまよい続けるのか。
ウォン・カーウァイの『花様年華』に近い余韻と肌触りで何度も咀嚼したい作品だと思った。