1.《ネタバレ》 土曜日に観に行ったのは…コレ。
――ヴァチカンのエクソシスト(2023)
求めるのは旧作「エクソシスト」の荘厳さ、神懸かり的な雰囲気だったが…アレだ。
まぁアレに関しては…クラシックな作品だから出せてるってのも在るかも知れないけど、単に映画の音楽やCG化の強化などの近代化が、その邪魔をしてる気がする。
ただ、過去作のような作品にしたら「地味だな、おい!」と言われそうだな、とも思うので難しい。
ともあれシナリオも練られてるし、演出も立派な作品。
何より「ドキッとさせる不意打ちシーン」あざといシーンが余りなく、そこも好感が持てた。
そう言う訳で最近の映画ファンには、かなり受け入れやすい作品であるのは間違いない。
つか、俺の「エクソシスト大好き病」は「この作品を見るのに向いてなかったのかな…」と、映画を観ながらも、脳内で軌道修正をしていた。
シナリオ的にも「事件の事実を探求するシーン」も有ったり、何よりもヴァチカンを”それなり”に(あくまで”それなり”にだけど)表現していたのも好印象。
ゲームが浸透している現代だからこそ、物語の進め方もかなり「それっぽく創ってる」って印象だった。
この主人公である「ガブリエーレ・アモルト神父」は実在されていた方で、ラッセル・クロウが好演。
かなり冗談が好きな神父で、観ているだけで力を与えてくれそうだって強気佇まいは伝わってくる。
そして、ガブリエーレ・アモルト神父は最近(2016年)に亡くなられてたのも知った。
彼の素晴らしい姿勢は、悪魔が本当に乗り移ってるかだけではなく、性神学的な見地も含め「悪魔に乗り移られている佇まいを感じなくなるまで」を追っている事。
そこも、この映画では上手く表現しきっていたと思う。
――ただ、ひとつだけ。
演出的に「悪魔の不意打ち」が無かったのが凄く残念だったんだ。
オーメンでも、大好きなエクソシストでも、そこを強く匂わせていたのもあるから、余計に。
倒したと思っても、去ったと思っても「まだ完全に分からない」って恐怖…そこが悪魔の悪魔たる所以と思うのだ。
結論から言うと……相当に面白かった。
安っぽい映画ではないので、機会があれば…是非観て欲しい。
そして、映画館を出る時に――
知らない20~30代のコンビの会話に、私は戦慄した。
A氏「いやー、ラッセル・クロウ良かったねー…良い演技だった。」
B氏「いい演技に、ラッセル・クロウもクロウ(苦労)したんだろうね。」
B氏のドヤ顔が最悪でした。
ああ神父…親愛なるガブリエーレ神父よ。
彼は悪魔に憑りつかれてると思います、マジで。
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