1.《ネタバレ》 前章では最後まで判らなかった、過去の映像と現在とが全く繋がらない謎が今回明らかになった時点でパーッと作品世界の視野が広がって。掴みかねてたおんたんと門出のキャラがきゅーっと胸に迫ってきて。
身もフタも無いこと言っちゃうと『浦島太郎』と『まどマギ』と『エヴァ』(ちょっと『1000年女王』)なんだけどね。でも今のこんな時代にコレが作られる事の意味、それってとても大切だと思うのね。
異常な状況が日常になる、大きな何かに気付かないフリをする、気付いていても何もしない、そんな世界が最悪な事態に陥った時、それでも抗う人を非力な無力な無駄な存在と冷笑、嘲笑するような映画、ではないと思うのね。それぞれに意志があって選択があって、それが例え悲劇に終わったとしても、それでも生きる意味はある、って。
前世紀末のセカイ系ノリを匂わせつつ、もっとずっと今日的な感覚に寄り添って個と複雑な社会との関係、ありようを示すわ。雑多な要素をまとめきれてない感はあるの。あちこちに触手を伸ばし過ぎたためにキャラやメッセージが薄くなったりボヤけてしまったりしてるの(ついでにエヴァ過ぎる絵があったりするの)。だけどおんたんと門出の生き様を通じて正義も悪も定義できない今のこの世界の混沌に仄かな望みを見出す事ができるの。それはアニメのステキなチカラだわ。二人に命を吹き込んだあのちゃんと幾田りらさんに拍手。