1.《ネタバレ》 TVシリーズのStrikerSを見ると、なのはが再生困難な深手を負う展開を知っていたので、
一種の不穏さは予感していたものの、案の定そうなる割には意外にも最新鋭の再生医療によって無事に夏休みを過ごせたという。
御都合主義を外しても良いような、大団円でも構わないような複雑な心境だ。
登場人物が非常に多すぎて、描き切れてない印象はなくはない。
キリエを裏切ったイリスにも事情があって、さらに裏で手を引いていた黒幕がいたという入れ子みたいな構造もらしいというか。
こうなればあとは全力全開で突っ走るだけ。
前編では敵側だったディアーチェたちも共闘し、熱い展開とバトルを繰り広げる。
戦闘中でも印象に残る台詞ばかりで(下手したらあざとさもあるが)、
挿入歌「暁の祈り」をバックにしたディア―チェ vs ユーリの戦いが一番の白眉。
今までなのはが戦う動機としてのネガティブな面があまり描かれていなかったが、
本作では誰かを救いたい気持ちと自己肯定感の低さが背中合わせなのが良かった。
自分では大したことないように思えて、大事な家族と親友と仲間がいることに初めて"自分のため"だと受け入れることができた。
まだまだ小学生というのもあるが、命に関わる過酷な宿命故に大事なことを忘れていたかもしれない。
実は映画シリーズはまだ継続中だそうだが、ここまで描かれれば綺麗に完結でも良いだろう。
丁度3部作でキリが良いし、これ以上、インフレと複雑さで空中分解してもおかしくないから。