28.《ネタバレ》 小さい頃に観て以来の再鑑賞。 大魔神といえば埴輪のような優しい顔から一度変わる憤怒の表情ですが、実際は圧政に苦しむ人々の願いを聞き入れて悪者を成敗する神様。 とはいえ1作目ではまだ「魔神」となっているので、領域を侵されたことに憤慨して在らん限りの破壊をし尽くす魔神、というかほぼ破壊神でした。 この終盤20分のスペクタクルは今見ても十分迫力ありますし、文字通り蹂躙されて悪役が可哀想なレベル。とはいえ、前半〜中盤で悪事の限りを尽くしているので自業自得なのですが。 実際に約4メートル半という大きさも妙な説得力がありますし、最後に至るまでのドラマも時代劇として面白い、しかも最後もあくまで魔神なので前も悪も関係なく蹂躙し、純真な想いによって封じられる、という展開も非常に良く、とても面白い作品でした。 【クリムゾン・キング】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-01-05 14:42:18) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 映画自体は観たこと無いけど二次創作でよく知っていた大魔神。 誰もが知ってる変身シーンは、もしかしたら日本のヒーローの変身ポーズの元祖だろうか? ま、観るまでもなく、想像したそのまんまな内容だろうなって思ってたけど、それがまたどうして、予想以上に迫力があった。 額に杭が打ち込まれ、流れ出る真っ赤な血のおどろおどろしさは、観ていてゾッとした。 穏やかな顔の武神像が腕の動きに連動して怒りの表情になる、有名な変身シークエンス。あの目。眼力。アオリ気味に下から見上げる構図の素晴らしいこと。 最初に城下に現れたシーンで、物見櫓の横に立ち止まる大魔神。ここで約4秒、微動だにしない姿は息を呑む迫力。 逃げ遅れた兵を攻撃するシーンでは。屋根に隠れて胸から上が見えない。大魔神が腕を振り下ろすと、屋根が壊れて顔が出てくる完璧なカメラワーク。 城下町をメチャクチャにする大魔神、決して善人の味方ではなく、荒ぶる神として暴れるのも素晴らしい。己の額に杭を打ち込ませた領主への天誅。左馬之助を殺した後の、怒りの収まっていない目の迫力。抵抗するものはもちろん、無関係な村人も被害に合う無尽蔵さ。これぞ神の怒り。 巨石や巨木、滝なんかを神として崇拝した日本人。日本古来の自然信仰。暴れる武神像は、まさに自然災害と言える。 最後に土になって崩れ落ちるところも、大魔神が異世界の魔物や宇宙の神秘でなく、あくまで自然から産まれたものって感じで、味わい深い最後だったと思う。自然の力に対し、無力な人間は、ただ怒りが鎮まるよう祈るしかない。 ウルトラマンやゴジラは身長50mとかだけど、この大魔神は4.5mと小さい。その大きさだからこそ、魔神の表情、怒りに満ちた目が、肉眼でハッキリ見て取れる。踏み潰される人間の痛さ、睨まれる怖さが伝わる。 刀も鉄砲も効かない、大魔神の圧倒的な力。これも相手が戦車やミサイルだとどうなんだ?とかって思ってしまうから、戦国時代って設定も絶妙。 【K&K】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-03-08 22:58:39) (良:1票) |
26.《ネタバレ》 今から50年も前にこんなクオリティの高い邦画があったなんて驚いた。 懲悪勧善、因果応報を地でいくストーリーと重厚感あふれる大魔神の迫力といったらもう。 子供のときに観たらさぞかし友達とマネごっこをしたことだろう笑 時間が短めで、セリフも昔の映画にしては聞き取りやすく、いい仕事をしている。 悪代官が切れ者なのも面白く、あとで鏨を刺されて絶命するところにセンスを感じる。 そのシーンのあとに大魔神が見得を切るんですが、これがまたすごくいい。 全体的にカメラワークが素晴らしく、大人の鑑賞にも耐える名作。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-08-12 17:57:14) (良:1票) |
25. 民話が底流にあり、日本的な、実に日本的な特撮時代劇で見事な出来。東宝の円谷特撮に対する大映京都人の意気込みを感じる。 大魔神の重量感の表現や、左馬之助を成敗し見得を切るシーンにおける目力の迫力は特筆モノ。スーツアクター・橋本力の眼力をそのまま活かしたことが成功の大きな要因といえる。 穏やかな埴輪顔から荒ぶる武神へと変貌するコントラストの妙。音楽は、わかっちゃいるけど「ゴジラ」だねえ。 【風小僧】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-03-25 13:59:19) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 わずか90分弱とはとても思えない、コッテコテの濃さ。謀反が起こる導入部分は定石通りとしても、そこから、何かやってくれそうな家臣は速攻で捕まる、若様も続いてあっさり捕まる、頼みのおば様も返り討ちと、こけそうなくらいの一貫した無力ぶりなのです。一方で、敵側の悪逆ぶりの描写は実に粘着質(美術関係が隅々まできっちりしているのが効いている)。そこまで溜めに溜めた後でいよいよ大魔神様の怒り爆発になるんですが、遠方からじわじわ迫ってくる距離感だったり物質感の撮り方、さらには背景の色合いまでが、見事に完成しているのです。また、悪玉をやっつけて終わり、という単純な正義の味方ではないのが、作品に奥行きを与えています。高田美和の化粧が濃すぎで、山奥での生活感が出ていないのが唯一の難点。 【Olias】さん [映画館(邦画)] 8点(2017-08-16 03:28:57) (良:1票) |
23.《ネタバレ》 序盤はベタベタな時代劇。 そこでためて、ためて、ためて大魔神の怒り大爆発。 素晴らしい。最後のせつない余韻がたまらない。 もうちょっとためて、ためてのところに工夫があったらなぁとか思ったり。 【CBパークビュー】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-09-21 16:44:00) |
22.《ネタバレ》 とにかくカメラワークが抜群 驚いた 冒頭,家老の謀反から若君が逃げ出すまでの殺陣を含めて手抜きなしの時代劇 以後黒澤並のカメラの巧さがある 大魔神が出て来るまでに一時間以上あるがまったく退屈しないで見られた 大魔神登場後も特撮部分も同じ大映のガメラよりもいいと思った 大魔神も悪大名をぶっ殺した後、何の罪も無い村人もついでにぶっ殺すみたいな荒ぶる神そのもの 「人間の都合なんて別にどうでもいいや」的な展開もなかなかいい 全体的にもホラーぽい作りで結構楽しい 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-24 12:23:17) |
21.《ネタバレ》 魔人の頭に鉄杭を打つと(なんちゅうバチ当たりな!)血がタラタラと出てくるところが結構トラウマです。小さい頃この映画に触発されて「埴輪」に興味を持ったことが懐かしい思い出です。 【ちゃっぷまん】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-12-16 17:24:18) |
20.《ネタバレ》 久しぶりに観たけど、これは凄い。大映の特撮ものとしては、昭和ガメラシリーズよりよほど出来が良い。城の普請場などは大掛かりなセットが組まれていて、大映の気合いを感じる。あれはアラカツマという神らしい。日本古来の土着の神様ですな。この神様の設定が本作の全てです。さんざんに悪行を尽くす大名がいるのだが、自分に被害が及ばない限りは知らぬ振り。乙女の涙にほだされて、初めて本腰を入れる。暴れ始めると形相が変り、手が付けられない乱暴者になる。重量感のある人型怪獣が暴れているみたいで、あまり神様という雰囲気がない。「正義」というよりは「祟り」です。そう、「八百万の神」って半分は妖怪みたいなもので、人智を超越しているだけで善き者とは限らない。この魔神はかなり禍々しく、善人も悪者と一緒に踏み潰されかねない恐怖をまとっている。磔代を投げ捨てた時はドキッとしました。キリスト教の神は悪魔に対抗する存在だけど、こちらには神と魔の両方が入っている。「魔神」とはそんな意味なんだと勝手に納得した次第。乙女の涙以外にコミュニケーションが取れない恐ろしい味方。それが作品全体に異様な緊張感を与えていました。スター性は別にして、造詣が深いという意味ならゴジラ以上でしょう。伊福部昭氏は勝手に東宝専属と思い込んでいたけど、大映でも音楽を付けてたんですね。彼の音楽で魔神を鎮める舞踊なんてやらせると、武者像の足元でモスラが孵化しそうでした。 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-08-25 22:41:30) |
19.《ネタバレ》 特撮映画の傑作。怖がらせることにかけては随一の作品。前半の魔人封じの祭は迫力があった。老巫女の演技も良い。中だるみがあるが、後半25分は圧巻で怒濤の展開。大魔神は雷や雲を操り、火玉となり飛ぶことができ、火を一瞬にして消す念力も持つ。まさに神である。応戦する側も、鉄砲、くさり、投石、火攻めと工夫があり、退屈しない。特撮がよく出来ていて、構図がビシビシ決まる。音楽も素晴らしい、ほとんど神の領域。ただいくつか気になるところがあった。①謀反のとき若君と姫が一緒に寝ていたが、あれはありえない。武士なら子供でも男女が一緒に寝ることはない。②若君と小源太の活躍が少ないのが欠点。10年経っても花房の残党達と連絡もとってないとはどういうことか?城に向かった小源太はすぐに捕まり。それを助ける若君も工夫なく罠にはまる。このような二人で城を取り戻し、お家再興がなるわけがない。花房の残党も無能揃いだ。③悪ボス左馬之助の悪逆非道ぶりがゆるい。低予算のためか、彼の京都に登ろうという武将としての活躍ぶりは省略。結局殺すのは小源太を逃がした男と、巫女の二人だけ。農民を使役する場面はそこそこ描かれている。④巫女の話を聞くために城の中にまで上げているが、これはありえない。⑤竹坊の母が死ぬが、その場面がない。冒頭シーンで顔を出しているのに。これを出すことで話に厚みがでるのだが。⑥磔の二人の綱がゆるゆる。⑦大魔神は阿羅羯磨である。過去に暴れだして悪さをしたようだ。それを封じる守り神が、武人像。だから神(武人像)と大魔神は本来別のもの。しかし両者一体となっているのはどういうことか?⑧大魔神は光玉となって飛んできた。だが去るときは光が飛んでいって、武人像が残った。ここにも矛盾がある。光玉は神なのか、大魔神なのか?⑨神が怒ったのは、眉間に鏨(たがね)を打ちこまれたから。参加した者は全員雷や地割れで死んだ。大魔神が動いたのは、乙女の祈りと涙と捨て身の心による。大魔神が去ったのも同じ。乙女の願いは、兄と小源太を助けてくれということで、悪ボスを成敗してくれとは言っていない。大魔神は、自らの復讐ために城に向かったのだろうか。兄と小源太を助けたのは結果論? 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-05-31 17:51:32) (良:1票) |
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18.《ネタバレ》 日本特撮映画史上のオーパーツとも言うべき傑作です。監督は『眠狂四郎』や『座頭市』シリーズを手掛けた安田公義で、どうりで本編の時代劇パートが良く出来ているわけです。音楽はなんと伊福部昭! 本作は大映京都で製作されたそうですが、『ガメラ』シリーズは大映東京が製作していて、同じ大映なのに特撮の技術レベルがこれほど違うとは驚くばかりです。『ガメラ対バルゴン』と二本立てで封切されたそうですが、いやはやなんとも豪華なプログラムですね。そして本作を含む『大魔神』シリーズ3作は、なんと1966年4月・8月・12月に公開されているということも驚きです。つまりこれ以降とうとう大魔神は撮られることがなかったわけで、それがオーパーツたる所以です。この素晴らしい特撮技術は、わずか5年後の大映倒産と共に消えてしまったのでした。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-05-04 22:28:22) |
17.大魔神が現れるまでは時代劇として面白いし、 大魔神が現れてからの迫力は圧倒的ですね。 時代劇の世界を大怪物が破壊する異色作。 工事現場のシーンがよい。 【且】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-04-04 23:32:49) |
16.40年以上前、『悪いことばっかしてると大魔に踏みつぶされちゃうよ』と言って子供をたしなめていた親がたくさんいたであろう時代劇特撮ムービー。 今見ると合成や、特撮には流石にちゃちさは感じるものの、製作者の本気度はビンビン伝わり、こっちも熱心に見てしまいます。大魔神登場までの引っ張り方も、ただの怪獣ものには収まらない脚本や、役者の演技も密度が濃くて楽しめます。 キングコングも神様も美人には弱いんだな。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-25 18:34:52) |
15.《ネタバレ》 怖い。本当に怖いです。まずは冒頭の大魔神のギョロっとした眼、更にドドンドドン!と足音だけを聞かせて姿を見せない大魔神、このオープニングでこの映画の恐ろしさを物語っている。そして、前半は時代劇としてこれまた流石は「座頭市」シリーズを何本も撮ってる監督と大映だけのことはある殺陣のシーンのスピード感に加え、なかなか姿を表さない大魔神、あのはにわの姿をした大魔人の頭から血の流れる場面の恐ろしいこと。恐ろしいこと。悪人達の仕業で遂に大魔人としての姿を見せた大魔人が暴れる時に流れるあの音楽もこれまた不気味。CGなんかではないセットと模型とで作られた映像と音楽の力による迫りくる迫力、最後に怒りが収まりきらなくなるほどの暴れぷりを見せる大魔神が子供と可愛い女の見せる美しき涙の前に怒りを静め、己れの身体を溶かして崩れ消える場面など、どんなに大魔神と言われようが人間の心を持ち合わせてる姿につい泣きそうになってしまった。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-14 20:48:32) (良:1票) |
14.埴輪の親分大暴れ。人間でも倒せそうで倒せないスケールが絶妙。最近はこの作品みたいに「悪いことしたら大魔神が来るよ」、なんて子供に言える作品が無くなってしまいましたね。 【ゆうろう】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-03 22:18:30) |
13.キャストからしてかなりB級なのにおもしろい。何より大魔神の表情が怖い…。圧倒的破壊力がスゴイです。特撮映画なんて全然見ないけどこれはおもしろかった。いつもは脇役過ぎて目立たない木村玄や伊達三郎が大活躍の映画でもある。高田美和もめっちゃかわいいです。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-13 21:06:42) |
12.「 パロディに 使われるほど インパクト 腕が過ぎれば 怒りの形相 」 詠み人 素来夢無人・朝@高田美和萌え |
11.何というオリジナリティ。何というクォリティ。何というカタルシス。何という恐怖。長い日本特撮史の中でも、確かに「ゴジラ」に匹敵するのは本作しかないでしょう。魔神登場まで引っ張るって言うより、そこまでは非常にオーソドックスながら、人物描写や演出も秀逸な本格時代劇。魔神も単なる庶民の味方ではなく、神の怒りを純粋に具現化した存在でしかない。早速若様を助けるのかと思いきや、磔台は単に行く手を阻む障害物だったらしく、容赦なく放り投げてしまうのには驚いた。そして、小汚いガキは平気で踏み潰そうとするくせに美女には甘いという所など、つい魔神に感情移入(?)してしまいました。平成「ガメラ」シリーズの基本コンセプトは旧「ガメラ」シリーズではなく、むしろ本作にあったのではないでしょうか、8点献上。 【sayzin】さん 8点(2004-11-09 00:08:27) (笑:1票) |
10.昔はちょくちょくテレビで放送されていて子供心に怖くてもよく観たのですが、最近放映されないのはナゼ?大人(マニアックなファンだけかも)も楽しめますが子供向けとしては最適の映画で、『なまはげ』と同じ効果があると思うのですが。最近、悪い意味で怖いもの知らずの子供が多い気がするので、こういう映画というのは必要なのでは?でも、「うちの子供が怖がるので、こういう映画は放送しないでチョーダイッ!」といった抗議の電話をかけてくるママゴンとかいるんだろうな~。 【中岩無洋】さん 8点(2004-03-11 11:56:27) (良:1票) |
9.瓦がバラバラと崩れ落ちる所なんかリアルですねえ。 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2003-12-12 13:06:36) |