5.《ネタバレ》 野生動物を、生きたまま捕獲する様子を映し出した珍しい映画です。
逃走する動物を車で追いかける様子は、まるでジョン・フォード監督の駅馬車を観ているかのような臨場感でした。特にサイとのせめぎあいは、見応えがありました。よくもまあ、これだけ迫力のある映像が撮れたものです。昨今のCG映像では、この迫力は出せません。生け捕りの方法がワイルドで、ロープを首にかけ引っ張り動きを止めてからトラックの荷台に押し込みます。これが素人の俳優がやってのけるのだから、映画に対する熱意が尋常でないことが想像できます。西部劇のように銃が登場する映画で、死者を出さない映画は本作以外に記憶がありません。そのことからも本作は、大変貴重な映画だと思います。
捕獲シーン以外のストーリーもよくできています。捕獲チーム内での恋愛事情をコメディータッチで描いており、それだけでも十分満足できてしまいます。さすがハワード・ホークス監督、演出が上手い!特にダラスと小象の絡みが微笑ましく見入ってしまいました。ラスト、彼女を追いかけていく3頭の小象の行進が可愛くて、私も飼ってみたくなってしまいました。
生け捕りにされた動物は、動物園などに引き渡されます。本作の明るい作風には、一生かけて動物を愛してほしいというメッセージも含まれているのではないかと思います。出来れば映画館の大スクリーンで鑑賞したい映画です。