6.《ネタバレ》 何の予備知識なく鑑賞。
最初は、ボーっと見るともなく見る感じでしたが、
大谷直子が半裸で指パッチンして振り向いたあたりから覚醒。
何の話か、よりも、前後関連性無さそうに挿入される画の美しさに釘付けになりました。
中砂夫婦は和服で住居は日本家屋。
青池はビシっと決めたスーツ姿で洋館に住んでいる。
妻の周子はいつも昔の「モダンガール」のようなファッションで、和服の時も明るく斬新なデザインで
園や小稲の地味な着物と対照的。
洋館のインテリアや小物、周子のファッションは見てて楽しかったです。
生の証のように食事や情事のシーンがあり、その他は死を思わせる暗い画面と不安を煽るような雑音。
2軒の間にある切通しは、いかにもこの世とあの世の通り道のよう。
悲哀と滑稽さを見せ、度々挿入される盲目の門付達の話。
三角関係という不安定な人間関係。
次第に、誰がいつ死んだのかは曖昧になっていきます。
それは、ずっと死の床にある妙子だけが知っているような気がしていました。
もしかしたら、すべて妙子の夢なのではないかと。
最後は、実は死んでいるのは青池のほうだと思わせますが、この点については、もっと昔に、
できれば公開当事に見ていれば衝撃を受けただろうと思えて残念です。
この手のラストの映画やドラマをたくさん見てしまったせいです。
こちらの作品の方が早いのに。
とはいえ、いつもは物語の整合性や構成を見てしまうけど、この作品に限っては、
それよりも感じたまま受け取っておいて良いと思えたのは自分でも不思議でした。
録画すれば良かった。
もう一度見たいと思います。