6.《ネタバレ》 TNGシリーズ未見なのでもっと置いていかれるかと思ったが意外に分かりやすかった。むしろくどくど説明しすぎないのが良い。全体的にしっかりとした緊迫感があって、これは前作や旧シリーズにはいつも足りなかった要素。ホログラム小説のシーンなど単なる息抜きシーンかと思いきやしっかりと必然性を盛り込んでいる。(無茶ではあるが)
恐ろしくも美しい女王、頼りになるアンドロイドとクリンゴン人、そして普段は冷静だがいざとなると暴走する艦長(笑)。コクレーン博士がいいキャラ過ぎるが、偉人の素顔はこんなもの感を魅力的に描いている。人間の描き方はどれも隙がない。
プロットはやや大雑把でタイム・パラドックスの扱いが能天気(これはおそらく全シリーズ共通なので致し方なし)、なにより宇宙戦闘の特撮がしょぼ過ぎる(『スター・ウォーズ』1作目から何年経ってるんだ)のは残念だが、21世紀半ばの人々という微妙な未来の人間風俗をしっかり創り出しているのは感心する。スター・トレックはいつだって正面から未来に向き合う。そしてそういうSF作品は意外に珍しいのだ。