4.《ネタバレ》 コメディ映画でバナナの皮といえばこれはもう100%、ただの一つの例外もなく滑って転ぶ人がいて、今までに数多くの足を滑らす人を見てきましたが、あそこまで大胆に宙を舞う人もキートンくらいなもんです。ベタ過ぎるくらいベタなギャグですが、そのクオリティが非常に高い(笑)!
また、現実から夢の世界へ入り込んで、その中で物語が繰り広げられるという映画もまた、今までにいくつも観てきましたが、夢の中で話が進んでいる事を忘れてしまったのは今回が初めてです。つまり、それほど面白かった。
一番好きなのが、キートンがシャーロック・ジュニアに扮するシークエンスで、ビリヤードのシーンにはハラハラドキドキさせられます。結局、ビリヤード台の上の13番は仕掛けのないただの13番で、拍子抜けさせられたと思った瞬間に斧がズバッと落ちてきたりする絶妙の間が最高。
後半のほうで、バイクに乗せてもらって逃げるシーンが出てきましたが、運転手を振り落としてそれに気づかず暴走してしまうのってよく考えたら凄くスリル満点のシーンの筈なのに、キートンがやると何故か安心して見れちゃうから凄い不思議。彼自身の芸のクオリティが上がれば上がるほどつまらなく見えてしまって、ちょっと可哀想ですよ。
他にも、行商のおばさんにかくまってもらったり、映画館のスクリーンの中に入って行ってしまったりと、思わず目を見張ってしまうシーンは他にもいろいろあって、全編通じて楽しめる作品だと思います。
あと、サイレント映画全盛期の映画館の雰囲気も見ることが出来たりと、結構貴重な映画ですね。