1.《ネタバレ》 意外に評価低いですね。これほど「水車の音」が効果的に使われた映画を知らない。昨今の全ぺん煩いくらいBGMが流れる映画に、半分うんざりしつつ慣れきってしまったせいか新鮮で、この映像にこれ以上の効果音はあり得ないだろうという出来。ひと癖ある登場人物(薄弱な少女、指噛み、チック症)の、根底には同様に内なる狂気が潜んでいると納得させる、さり気ない演出も効果的。石坂金田一と真逆のタイプの硬派な中尾金田一もありかと。この作品には石坂浩二よりも中尾彬の方がマッチしているように思う。ただあのサングラスはいただけない。犯人の動機(設定を現代にしていることで尚)が納得出来ない(役者の演技力で救われている)ことを除けば、個人的に地味だけど後をひくこの横溝作品も好きです。低予算でこれだけの映画が作れるのだから、チープで陳腐な誇大宣伝映画は見習ってほしいと切に願う。