3.《ネタバレ》 シュヴァンクマイエルの短編はどれも好きですが、コレと『家での静かな一週間』は別格です。多くの作品にみられる擬人化された無機物の動きと音楽のコラボレーションも、「繰り返し」を軸に展開させ最後にきっちりとオチをつける構成の妙もいつもどうりに完璧で、尚且つ余分なものが無い。内容はあいかわらずの不思議ワールドであるが、鳥篭に行き着くエンディングを見る限り、新作『ルナシー』同様に「抑圧」がひとつのテーマにあると思われる。女の子の人形に課せられる通過儀礼。試行錯誤の迷路は悪意無き黒猫になんども邪魔されながら(このときの「ア~ア~ア~・・」って音楽、最高!笑える!)成長した人形に待ち受けるのは社会の檻。抑圧の時代を生きたシュヴァンクマイエルにとってはこれもまたシュールレアリズム。