1. 近々DVD化されるそうですが、ホント、ストーリーなんてないんですよ。でも、それぞれの人物描写がとてもリアルなんです。
10年以上も前に私は建築関係の仕事をしていたのですが、小さな会社だったので現場監督をしながら2Tトラックでスクラップを所沢の廃棄置き場へ頻繁に通った思い出があるんです。
この映画以上に砂煙にまみれながら外国作業員たちがタオルを口に巻いて働いていました。
この映画を観賞したのは、それよりずっと前、高校生の頃、深夜のテレビで観たのが最初ですが、世の中に、こんな世界があって自分が、そこにいたら嫌だな…って思った記憶があるんです。
それから数年後に、まさか、自分がこの世界にいるハメになって……。
今の私は、また別の世界にいるのですが、今、この映画を改めて観ると、「人間ドラマ」を描いているのは何も橋田須賀子だけじゃないって、そう思うんです。
多くの人に観てもらいたい映画ではありませんが、これに近い世界も実際に日本に存在すると私は言いたいのです。
因みに、当時は「悪魔の毒々モンスター」というグロ映画が流行りはじめ、その波に乗って来た作品と言っていいと思います。